日蓮宗の総本山「身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ)」には、昔から多くの参拝者が訪れる。その昔、遠路はるばる参拝にやってきた者の受け入れ先として「宿坊(しゅくぼう)」が数多く存在し現在も全国各地で続いているが、そのイメージは大きく様変わりしている。
今回は身延山に建つ「覚林坊(かくりんぼう)」での宿坊体験と、久遠寺で誰でも参加できる「朝のお勤め」について紹介する。
■暗い印象は一切なし!快適空間での宿坊体験
「お寺で宿泊」と聞いて、どんなイメージをもつだろうか。古い建物、薄暗い雰囲気、そして何ともいえない厳粛な空気感をイメージするのではないだろうか。筆者も夜トイレに行けないのでは、という心配があった。
しかし実際に宿坊体験をしてみると、建物は歴史的な外観はそのままに、館内は床や壁が張り替えられ、きれいな旅館のよう。また水回りやトイレは共同だが、いずれも複数人が同時で使用でき、清潔で明るい。
風呂は交代制で、事前に利用する時間を予約する仕様。部屋のドアが引き戸一枚のため音漏れがしやすいなど、通常の宿泊施設と比べ配慮する点は多いが、見ず知らずの宿泊者同士がお互いに思いやりながら過ごす時間も宿坊ならではの体験だ。館内には空調やWi-Fiも完備され、全く不自由なく過ごせた。
宿泊は各種オンライントラベルサイトの他、電話でも予約可能。1泊素泊まり(2名より)6600円~、1泊2食湯葉御膳付き1万1500円~。子供料金の設定もある。