■家康公の眠る久能山東照宮

久能山東照宮に続く絢爛豪華な楼門

 久能山を登りきって少し歩くと、朱塗りの大きな「楼門(ろうもん)」が目に入る。門には後水尾天皇(ごみずのおてんのう)による「東照大権現」の勅額が掲げられており、絢爛豪華な彫刻が彫られている。門をくぐった後、脇に家康公の御手形が飾られているので、自分の手の大きさと比べられる。

黒漆塗りと極彩色の装飾が美しい久能山東照宮の御社殿(正面)
黒漆塗りと極彩色の装飾が美しい久能山東照宮の御社殿(側面)

 楼門を抜けると、「権現造(ごんげんづくり)」と呼ばれる全国に創設されている東照宮の原型となる様式で建てられた東照宮の御社殿が建っている。権現造では神の世界である本殿と人間の世界である拝殿を石の間で繋いでおり、家康公の神霊は本殿奥深くに祀られているとのこと。ここは荘厳な空気が漂っており、静岡県屈指のパワースポットとして知られている。

 御社殿も豪華な彫刻や装飾がされているので、ぜひ自分の目で見てほしい。

家康公が埋葬されている石塔 その御遺命により西向きに建てられている

 御社殿の後方にある石段を約40段登ると、家康公が埋葬された高さ5.5m、周囲8mの石塔が家康公の御遺命により西向きに建てられている。西側には家康公の生まれた愛知県岡崎城があり、家康公は晩年を過ごした静岡で、故郷である岡崎を眺めながら眠っておられるとのこと。

 この石塚は神廟(しんびょう)と呼ばれており、家康公の愛馬が埋められた墓が南東に建てられている。

 天下泰平の礎を築いた家康公とその歴史に思いを馳せながら、家康公の愛した静岡の景色を眺められる久能山東照宮。2023年の大河ドラマのゆかりの地でもあるので、ぜひ訪れてみてほしい。

 久能山東照宮内には博物館があり、2000点を超える武器や武具、家康公のお手回り品などが収蔵されている。この博物館には、当時のスペイン王から家康公に送られた現存する機械式時計としては世界最古ともいわれる洋時計もあるので興味があれば足を延ばしてみよう。

久能山東照宮 一ノ鳥居へのアクセス
 ・JR静岡駅より、しずてつジャストライン石田街道線にて終点「東大谷」下車(約40分)。 東大谷バス停で「久能山下行き」のバスに乗り換え、終点「久能山下」で下車(約15分)
 ・東名高速道路『静岡IC』から20分、または東名高速道路『日本平久能山スマートIC』から約10分。駐車場はないので周辺の民間駐車場を利用すること。

・久能山東照宮
住所:静岡県静岡市駿河区根古屋453-2
社殿拝観料:大人500円、小中学生200円
博物館:大人400円、小中学生)150円
社殿・博物館共通:大人800円、小中学生300円

URL:https://www.toshogu.or.jp