●井桁型

キャンプファイヤーでお馴染みの「井桁型」(撮影:中村真吾)

 2本の薪を交互に井桁に組んでいく井桁型は、小学校の頃の屋外研修などでお馴染みのキャンプファイヤーと同じ組み方。

 形状の都合で焚き火台を選別する必要があるが、広い吸気口があるこの組み方は燃焼効率も高く、輻射熱も大きいので焚き火台の周りにいる人達の体を芯から温めてくれる。

 また全方向から薪をくべたり、吸気口に直接小さい薪を投入することで長時間暖を取りながら焚き火を育てる楽しさを体感できるので、秋のソロキャン、グルキャン共におすすめの型だが、筆者としてはぜひグルキャンでワイワイ楽しんでほしい。

●ティピー型

迫力満点の炎が楽しめる「ティピー型」(撮影:中村真吾)

 前に紹介した2つの組み方とは異なり、その一時を楽しむための薪の組み方。焚き火台の中に薪でエーフレーム(三角)を組み、その内側に斧で細く割った薪を立てて組んでいく。さらにそれを取り囲む様に外側に薪を組んでいくと、ティピー型の完成だ。

 中心にフェザースティックなどの火種を投入すると、内側から炎があれよあれよという間に燃え広がり、ティピーの頂点から火柱が上がる。焚き火初体験の人の中には、見た目の迫力以上の輻射熱と、近くで感じる想像以上の熱量に、不安を感じる人も。

 ティピー型は数十分間しかその形を維持できず、「砂上の楼閣」の如く、間もなくして崩れていく。まさに短くも美しく燃え、刹那的だ。ぜひソロキャンで、儚い炎を眺めながら焚き火時間を楽しんでほしい。

■焚き火をアクセントに、楽しいキャンプライフを!

その時の雰囲気や焚き火を囲んでいるキャンパーに合わせて、焚き火の組み方を工夫しよう(撮影:中村真吾)
焚き火の後、炭を追加しベーベキューで乾杯(撮影:中村真吾)

 秋は寒暖の差が大きくなり始める頃だが、キャンパーの体はまだまだ順応しきれていない。そんな時、焚き火は身体と胃袋、そして心を暖めてくれる。

 「焚き火の組み方なんてなんでもいい!」そんな事を言うキャンパーにも、ぜひ一度今回紹介した組み方で焚き火に挑戦してほしい。間違いなく、焚き火が持っている楽しさや魅力に気づくはずだ。

 焚き火で暖を取り、煙が立ち昇る星空を眺めながら食事とお酒を満喫してみてはいかがだろうか。