夏の暑さも一段落し、空を仰いでも入道雲はどこかへ消え去り、うろこ雲やいわし雲が見られる季節、秋の到来だ。

 焚き火が最高に楽しい秋は、キャンパーにとってベストシーズン。”No TAKIBI No CAMP"(焚き火のないキャンプなんてありえない!!)どこかで聞いたことのあるようなフレーズだが、今回は秋キャンプでの焚き火で活用できる、おすすめの薪の組み方とその理由について紹介する。

■薪を組む時のポイントとオススメの型

ティピー型で薪を組み、残った薪は乾燥中(撮影:中村真吾)

 薪を組む際のポイントは、焚き火台の中を対流する熱い空気と、周りに広がる輻射熱。これらをいかに効率よく利用できるかが肝心だ。

 輻射熱を効率よく利用することで、寒暖差に順応しきれていない体を芯まで暖かくしてくれるだけでなく、調理も楽しむことができる。

今回は焚き火でのおすすめの薪の組み方を三つ紹介する。

●並列型

シンプルながら、機能的な薪の組み方「並列型」(撮影:中村真吾)

 太い薪を枕木にし、それと水平方向になるように割った薪を並べるだけ。この型はどんな焚き火台でも容易に素早く組むことができ、その状態のままで焚き火を楽しめる。

 シンプルな薪の組み方だが、枕木とその上に並べた薪の間に空気が対流しやすい空間があり、安定した火力をキープすることが可能。

 また、火吹き棒で炎を育てながら焚き火を楽しんだり、焚き火台を囲って仲間と炎を眺めながら長時間暖を取ることもできる。

 並列型はシンプルかつ機能的で、夏キャンプで控えめになっていた焚き火感覚を思い出すのにもってこいの組み方だ。この型は調理にも向いており、焚き火台の上に五徳をセットし、スキレットを使ってステーキを焼いたり、ダッチオーブンでビーフシチューを作ったり楽しめる。