自分の力で岩壁を登り、自然と一体となれる「ロッククライミング」。東京オリンピックで新種目として採用され、楢崎智亜、野口啓代の活躍でも注目を浴びた「スポーツクライミング」も、ロッククライミングの中のフリークライミングがスポーツに発展したもの。現在は都心部にも3~4mの低い壁を登る「ボルダリング」を楽しめる施設が登場し、身近なスポーツとなりつつある。

 そんなロッククライミングを今回、筆者が北海道小樽市・赤岩にて人生初体験。用具の説明から、岩壁への挑戦、断崖絶壁をロープ一本で降りる懸垂降下の練習まで充実の一日をレポートする。

■クライミングに必要な用具とは

クライミングで使用する主なアイテム。カラビナもロック付きなど用途に応じて使用する(撮影:森田大輔)
グローブは滑りづらい革製品がベスト。指先が出ている方が、細かい作業がしやすい(撮影:森田大輔)

 まずは用具説明とサイズ調整からスタート。自分の体とロープを結ぶ重要なアイテム「クライミングハーネス」は、正しく着用した後は必ず一度ロープに完全にぶら下がってみること。ここでハーネスのパーツが体に食い込むなど、不快感がなければOKだ。

 「クライミングシューズ」は初心者はストレスのない、履きやすいサイズがベスト。なお、クライミングシューズは岩壁に登るときのみ使用し、移動の際は履きなれた運動靴やトレッキングシューズとなる。ロープの摩擦から手のひらを守る「グローブ」は、滑りやすい軍手はNG。内側が革のものがベストだ。

 その他にも「ヘルメット」「ロープ」「カラビナ」「チョーク&チョークバッグ」と、必要な道具は色々あるが、今回はすべてレンタルで対応した。体験ツアーを企画している会社であれば、レンタルアイテムが揃っている場合も多いので、専用アイテムがなくても楽しめる。

動きやすい服装でOK。ただし、岩壁に擦れる場合があるので、要注意(撮影:森田大輔)

 服装は動きやすいものがおすすめ。上は時季にもよるが、半袖は虫に刺される恐れ、日焼けの心配もあるため、長袖が安心だ。下は動きやすいパンツで問題ない。

 なお、水分補給用のドリンク、防寒具、クライミングシューズなどを入れるために、20L程度の登山用ザックがあるとよい。