■極大日以外にも流れ星は多く出現する

美しい満月も、流れ星にとっては大敵

 流星群には、「極大日」とよばれる、流れ星が最も多く出現すると予測される日がある。これを「流れ星は極大日にしか出現しない」と勘違いしている方がいる。流星群により期間に幅があるものの、実は極大日の前後1週間程度も流れ星は多く出現する。

 例えば2024年の4月こと座流星群の極大日は満月に近く、観測条件はあまりよくない。日をずらして観測することで、月明りを避けて流れ星を見つけやすくなるため、極大日にはこだわりすぎないほうがよい。

 また、せっかくキャンプに来たのに、「今日は極大日じゃないから流れ星は見つけられない」と夜空を見上げないのは、あまりにもったいない。

■寝転がって星空全体を見回すのがポイント

放射点から離れた場所にも流れ星は出現し、軌跡は長くなる

 流星群には放射点と呼ばれる発射地点のようなものがある。流れ星は放射点から放射状に流れるため、放射点が高く昇ったときに観測したほうが多くの流れ星を見つける事ができる。

 ペルセウス座流星群であればペルセウス座の中に、ふたご座流星群であればふたご座の中に放射点がある。なお流星群の名前はこの星座名がもとになっている。

 ただ、流れ星は放射点近くにだけ出現するわけではない。放射点より遠く離れた場所にも出現する。放射点は、すべての流れ星の軌跡を伸ばすと重なる点、というだけだ。そのため、放射点だけを見るのではなく、夜空全体を見回したほうが流れ星は見つけやすくなる。

 ベストな体制は、寝転がること。シートを敷き、防寒対策をしたうえで、ごろんと寝転がって夜空全体を見回す。とくに放射点から遠く離れた場所に出現する流れ星は長い軌跡であることが多く、見ごたえがある。

■一生の思い出に残る流れ星を

流れ星を見つけるポイントを押さえれば、一生の思い出に残る流れ星を見つけられる

 お目当ての流星群で流れ星を見つけられなかった人も、諦める必要はない。他の流星群の時期でも、流星群の極大日でなくても、星空を見上げてみよう。

 一生の思い出に残る流れ星を見つけるチャンスは、意外と多い。