和歌山市内きっての観光名所「和歌山城」は、かつて江戸幕府8代将軍で、ドラマ「暴れん坊将軍」でもおなじみの徳川吉宗が暮らした名城。現在は動物園を併設し、観光気分を盛り上げる「忍者」が待機するなど、珍しさを売りに、さまざまな観光要素が盛り込まれている。

 城内の名勝「西之丸庭園」では四季折々の自然の表情が楽しめ、天守閣の展望台からは市内の絶景が広がり、城主気分も味わえる。城の拡張や改修により石垣は複数の時代の特徴が見られ、観察しながら散策する観光客も多い。また、城から車で5分程度の場所には伝説のラーメン店「井出商店」が堂々と軒を構える。

 今回は見どころ満載の和歌山城を観光し、井出商店のラーメンで締めるプランを紹介する。

■「暴れん坊将軍」の故郷「和歌山城」

空襲前の外観そのままに再建された「和歌山城」の天守閣(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 「日本100名城」にも数えられる和歌山城は安土桃山時代の1585年、豊臣秀吉の命令により虎伏山(とらふすやま)の頂上に築かれた。1600年の「関ヶ原の戦い」の後に浅野氏によって改修された大天守と小天守、2つの櫓(やぐら)を四隅に備えたロの字型の「連立式天守」は、建物内に中庭ができるのが特徴で、「天守防衛」の究極の姿といわれている。

 和歌山城には徳川御三家の一つ「紀州徳川家」が居城し、徳川吉宗や14代将軍家茂を輩出した。江戸時代に整備された城下町は今もその名残があり、観光コースとして人気だ。

「和歌山城」の大天守の展望台から一望する景色。死角が少ない「連立式天守」の2つの櫓が見える(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 和歌山城天守閣は落雷や太平洋戦争の空襲で、過去に二度焼失した。戦後の1958年には多くの寄附により、空襲前の外観をそのままに、現在の天守閣が再建された。

 天守閣の入場料は大人410円、小・中学生200円で徳川家ゆかりの品などが多数展示されている。高台にそびえ、和歌山市のシンボルになっている城の天守閣には展望台があり、心地よい風を浴びながら市街地の大パノラマの景色を眺めていると、城主気分が味わえるかもしれない。