ファミリーキャンプでは、子どもの面倒を見ながらテント設営やバーベキューの準備をしなくてはならない。楽しい反面、気を張らなければいけないため、普段より神経を使うだろう。

 ふと気を抜いてしまったとき、子どもがいなくなってしまったり、怪我をしてしまったりすることも少なくない。「まさか自分に限ってそんなことはないだろう」という思い込みから、大事故につながってしまうのだ。

 実際にあった事件の実例と対策から、キャンプの安全について考えたい。

■1. 川遊びでの水難事故

浅瀬だから溺れないわけではない(撮影:田芝也友)

【川遊びの事故事例】2022年7月末に起こったのが、浜松市天竜区の阿多古川で子どもが溺れた事故。溺れたのは11歳の男の子で、父親の救助によってドクターヘリで病院に運ばれたが意識不明。川には家族6人で訪れており、バーベキューの準備中に1人で川に入ったのが原因とされている。

 子どもの人数が増えると、それだけ管理が大変になる。川や海といった水辺のキャンプやバーベキューは涼しげな雰囲気もあって、多くの人が訪れる人気スポットだが、特に注意が必要だ。子どもだけで水辺に行くと、溺れたり、流されたりして、大事故につながりかねない。

 安全対策として、子どもだけで水辺に行かせず、水辺での遊びは必ず大人が付き添うこと、また必ずライフジャケットを着用させよう。

■2. 遊具からの転落事故

幼児だけでなく、小学生でも落下事故はありえる(撮影:田芝也友)

【遊具の事故事例】2020年7月、北海道千歳市で2歳の女の子が高さ3メートルの遊具から転落。この遊具ではオープン当初(6月1日)から2回も子どもの落下事故があったにもかかわらず、事故防止の対策をしていなかった。

 子どもが幼児の場合、「もしも」を常に考えておく必要がある。特に、大きな遊具で遊ばせるときは、周囲にも細心の注意をはらおう。ふとした瞬間に、近くの子とぶつかり、落下することも考えられるからだ。子どもは自分で身を守れないので、親がしっかりと目を離さず、事故を防ぐことが重要だ。