熊野三山の奥の宮と称される神社「玉置神社(たまきじんじゃ)」をご存じだろうか。

 熊野三山とは、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社のことで、熊野修験道の聖地。2004年に世界文化遺産に登録された「熊野古道」は、この三山に参詣する道の総称で、和歌山県だけでなく、三重県、奈良県、和歌山県、大阪府まで広がっている。

 「玉置神社」はそのアクセスの悪さから、「呼ばれないと行けない」とまで言われる強力なパワースポットだ。

■玉置神社

霧がかかる玉置神社本殿(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

●神社概要

 玉置神社は標高1,076mの玉置山の山頂近くにあり、神武天皇御東征の途上の地と伝えられている。

 創立は紀元前37年、第十代崇神天皇により、王城火防鎮護(おうじょうかぼうちんご)と悪魔退散のため早玉神を奉祀したことにはじまる。古くから熊野修験行場の一つとされる霊場で、江戸末期に玉置神社という名称になり今に至る。

 本殿には、国土の永遠の安定を意味する神「国常立尊(くにのとこたちのみこと)」、日本を創造した夫婦神である「伊弉諾尊・伊弉冊尊(いざなぎのみこと・いざなみのみこと)」、八百万の神々で最高位に位置し、太陽を司る女神「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」、初代天皇となる「神武天皇=神日本磐余彦尊(かんやまといわれびこのみこと)」が祀られている。

●アクセス

<車で行く場合>
・大阪方面から車で阪和自動車道・美原JCTから約3時間
・名古屋方面から東名神自動車道・亀山ICから約5時間
・和歌山方面から阪和自動車道・南紀田辺ICから約2.5時間
・三重方面から紀勢自動車道・熊野大泊ICから約2時間

<公共交通で行く場合>
・JR大阪駅からJR環状線鶴橋駅経由、近畿日本鉄道・大和八木駅まで50分
・近鉄名古屋駅から大和八木駅まで1時間40分
・近鉄津駅から大和八木駅まで60分
・大和八木駅からバスで4.5時間かけて十津川温泉へ
・JR和歌山駅からJR新宮駅まで3時間10分、新宮駅からバスで2時間30分かけて十津川温泉へ

 十津川温泉からはタクシーを利用することになる。東京を起点とした場合は、羽田空港から白浜空港に飛び、そこから車で2.5時間程度。車で行くのが圧倒的におすすめだが、神社への山道は1車線の細い道路。落石、倒木、ナビが反応しないといった話もよく聞かれる。

 ちなみに、「呼ばれないと行けない」理由はこれだけではなく、参拝を予定していた筆者の知人も、他の用事が入り何度も断念をしているとのこと。ますます不思議な力を感じるスポットだ。