■ここに注目すると阿波おどりがもっと楽しめる

 そこで、ここからは現地の踊り子である筆者が、阿波おどりの見どころをご紹介する。

⚫️ダイナミックでワイルドな「男踊り」、指先からつま先まで上品な「女踊り」

 男踊りは豪快で力強い踊り。ダイナミックな踊りが特徴的だ。自由な踊りで、周囲を大きく使い、躍動感あふれる動きで観客を楽しませてくれる。

 女踊りは気品が溢れるしなやかな踊り。きれいに揃った集団美が華やか。指先からつま先まで洗練された動きで、女性らしさを表現している。男踊りと女踊りは対照的な踊りで、その違いが楽しめるのも阿波おどりの魅力だ。

⚫️4種類の踊りに注目してみる

太鼓や鐘の鳴り物の音が大きく聞こえたら「苔作調」

 阿波おどりを踊る団体のことを「連」と呼ぶ。連によって踊り方は異なるが、ルーツを辿ればのんき調・娯茶平調(ごぢゃへいちょう)・阿呆調(あほうちょう)の「三代主流」とドカドカ系と呼ばれる苔作調(こけさくちょう)の4種類に分かれている。それぞれに特徴が異なるため、踊りを見るときは注目してみると面白いだろう。

⚫️踊りに集中したいなら「演舞場」、一緒に踊りたいなら「にわか連」やストリート

全長170mの両国本町演舞場。無料演舞場でお客さんと踊り子との距離が近く、流しの迫力を味わえる

 今年は有料演舞場が2ヵ所、無料演舞場が2ヵ所と発表されている。歩き回るよりもじっくり踊りを楽しみたい方は、演舞場が座ってみられるためよいだろう。有名連をしっかり見たい方は有料演舞場、負担なく楽しみたい方は無料演舞場を選ぶとよい。有料演舞場で見ることができる、有名連が並んで踊るフィナーレは特におすすめだ。

 また、「見るだけでなく自分も一緒に踊りたい」という方は飛び入り参加できる「にわか連」がおすすめ。今年は、新型コロナウイルスの感染対策を徹底した上で実施することが決まっている。参加すれば演舞場で踊れる貴重な体験ができるだろう。

街の至る所で円陣を組んで踊っているので参加してみよう!

 至る所で踊っているのがあわ踊り。ストリートの踊りは舞台や演舞場に比べ、踊り子もリラックスして楽しんでいるため、呼び込まれたら気軽に踊って雰囲気を楽しんでみるのもありだ。