■「郡山城跡」が「国史跡」指定へ
郡山城は織田信長の時代に築城され、豊臣秀吉の期に拡張。江戸時代に郡山藩が置かれ、幕末まで続いた。
大和郡山地域は石が少なく、城の石垣は周辺の寺院などからかき集めた「転用石(てんようせき)」を使用しているのが特徴。その形はさまざまで「お地蔵さん」の形状がそのまま残ったものや、模様が刻まれたものも多数ある。
郡山城は明治維新後に大半が取り壊されたが近年、城跡が整備されて追手門や天守台などを美しく再現。「続日本100名城」と「日本さくら名所100選」にも認定されている。そして今年6月に「国史跡」指定が決まり、地元は大いに盛り上がっている。
展望エリアからは、大和郡山の街並みや平城京跡、薬師寺など、奈良の観光名所も見渡すことができる。郡山城跡は桜の名所としても有名で、春の「大和郡山お城まつり」は市民が楽しみにする恒例行事だ。
古くなった自販機やテレビを水槽に改造して展示する街の様子を見ていると、当初は「やり過ぎではないか」と感じたが、次第に「この街の人たちは金魚を愛してやまない」ということを理解するようになった。ユニークなアピールという軽いものではなく、金魚と「一心同体」という感覚なのだろう。
また、郡山城跡で解説してくれるボランティアスタッフからもやはり、城への誇りの大きさが感じられた。
この街の人たちは観光客にやさしく「ここに来てよかった」と思える瞬間が何度もあった。「元気な街」大和郡山の観光をぜひ、楽しんでもらいたい。