■春オープンしたばかりの「えぞひぐま館」
「北海道産動物舎」の脇、2022年4月にオープンした「えぞひぐま館」では、メスのエゾヒグマ「とんこ」が飼育されている。ガラス1枚でへだてられたすぐそばを歩く様子は、迫力満点。北海道在来の木々が植えられ、渓流で淡水魚が泳ぐ野外放飼場では、野生のエゾヒグマのように秋にドングリを拾って食べたり、水浴びをする様子が観察できるかもしれない。
知床の自然環境に関する調査・研究、自然保護の事業を行う「知床財団」の協力を得て制作された「しれとこヒグマ絵巻」も見どころのひとつ。人間とエゾヒグマの距離感を考える機会にと、知床で人間とエゾヒグマとの間で起きている問題や、共存のための活動がわかりやすく紹介されている。
観光客がクマを見るために起きる「クマ渋滞」や、知床連山のキャンプサイトで食べ物を保管する「フードロッカー」など、外から知床を訪ねる私たちにとっても、考えさせられる内容だ。