●絶景ポイント:山頂から日本アルプスを一望

 乗鞍岳の山頂となる剣ヶ峰からは、穂高連峰をはじめとした北アルプス、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスの眺めが良い。西には御嶽山、東には浅間山までが見通せる大パノラマが広がっている。登ってきた道を振り返ると、高山ならではの荒涼とした岩場の稜線が延びている。山頂直下には日本で二番目に高い場所にある権現池が広がり、深碧に光る湖面と周りの景色とのコントラストが美しい。

稜線上や山頂には大きな岩がゴロゴロと転がる

●【CHECK!】湯量豊富な温泉が目白押し

 乗鞍登山のバス起点となる、乗鞍高原、平湯はともに温泉のメッカだ。乗鞍高原側は、白濁したお湯が有名な白骨温泉、乗鞍高原温泉のほか、沢渡温泉が利用しやすい。平湯側は平湯温泉、新平湯温泉、福地温泉、栃尾温泉などに日帰り温泉施設が揃う。中でも、平湯の立ち寄りスポットでもある平湯民俗館は、40年以上も前に富山県利賀村から移築した合掌造りの家が無料で見学できるほか、寸志(300円程度)で入れる「平湯の湯」がある。

白濁した温泉が有名な乗鞍高原温泉

●おすすめ山行プラン

 バスの起点は平湯温泉、乗鞍高原、いずれも都合のいい方を選ぶとよい。乗鞍エコーラインを走るシャトルバスは富士山の五合目や立山を抑え、日本で一番高所を走るバスで、景観も素晴らしい。車窓の景色も楽しめるとあり、一度で二度おいしい山旅といえる。畳平からは、往路が約90分、復路が約80分。畳平バス停から肩の小屋までは緩やかな傾斜で、話しながら歩けるほど。肩の小屋と山頂往復はガレ場が続くので、登山装備で臨もう。

 夏山シーズンの畳平は、お花畑を囲むように敷かれた木道歩きが楽しい。コバケイソウ、ヨツバシオガマ、ミヤマゼンゴなど多様な植生が見られる。登山の行き帰りにぜひ加えたい。

●MAP

●山行ナビ

登山口:畳平
歩行時間:2時間45分
高低差:410m
標準日程:日帰り
距離:5km

●アクセス

 乗鞍畳平へアクセスするバスは長野からは乗鞍観光センターで乗車。岐阜方面からは平湯バスターミナルで乗車。

 

【soto 夏山 2021 より再編集】

※新型コロナウイルス感染症などによる各施設の営業および登山ルートの状況は、最新のものを確認してください。