■晴れていても流される「鉄砲水」や増水の恐怖

・腰まで水が浸かる場所
・小雨でも雨が降っている状態
・水かさが増し、川の流れが速い状態

 上記の場所や状態では遊んではいけない、というのは常識だ。しかし、2008年の都賀川水難事故では、

・浅い川
・天候は晴れ
・川の流れは穏やか
・人工の河川

 であったにもかかわらず、急激に増水(2分間に1m以上)し、16名が流され5人が亡くなった。

 原因は上流での局所豪雨と言われている(※)。上流で局所豪雨が発生し、増水。その水がそのまま鉄砲のように都賀川に流れ込み、急激な水位の上昇が起きたのだ。

※都賀川水難事故調査について:https://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/ndic/bunkakai/fujita2008.pdf

 人工の河川の場合、整備されており安全だと考える人もいるかと思うが、実際は水の勢いが収まらず濁流がそのまま人を襲うこともある。

 大したことのない水位に思えても、大人ですら動けなくなる。子どもならなおさらのこと。

 神戸市が紹介している都賀川の動画を見ると、あっという間に濁流が押し寄せていることがわかる。たとえ晴れていても上流の天気が怪しかったり、水がにごりはじめたときはすぐに退避しなければいけない。

 都賀川水難事故のときもそうであったが、必ずしも警告やアナウンスがされるわけではないため、危険と感じたらすぐに退避しよう。

 天然ダムの決壊による増水など、予兆がない水害の危険は常に存在するのだ。

水が濁っている場合は泳いだり遊ばないこと(撮影:shou.outbreak