どうもこんにちは。誰が呼んだか「絶景キャンプフォトグラファー」こと猪俣慎吾です。

 夏は「毎週、キャンプに行く!」という方も多いかと思いますが、今の日本の夏はどこもかしこも昼間は暑くてかなわない、なんて悩みを抱えていませんか。そこで、今回は『標高が高くて涼しい絶景キャンプ場』をテーマに、ご紹介したいと思っています。

 「標高が高い=涼しいって安直だろう」と言われてしまいそうですが、まさにその通りなんですが! でも、そのなかでも飛びっきりの絶景キャンプ場を紹介していきます。では、いきますよ!

■霧島連山を目の前に眺められるウェスタン風キャンプ場

<矢岳高原ベルトンキャンプ場>(宮崎県えびの市)

陽のまだ出ていない早朝に起きてキャンプ場の高台に登ってみよう

 鹿児島県と熊本県に隣接している、宮崎県のえびの市。そこにある「矢岳高原ベルトンキャンプ場」は、九州を代表するキャンプ場の一つです。矢岳高原は日本三大列車車窓の一つでもある場所で、その絶景は折り紙付きだ(現在は、JR九州の肥薩線は、2020年7月の豪雨によって被災し、八代~人吉~吉松間の不通状態が続いている)。

 絶景が一人占めできてしまうのが、このキャンプ場最大の魅力。陽のまだ出ていない早朝に起きて、キャンプ場から少々登ってパラグライダーのフライトポイントまで行ってみてください。ここから、雄大な霧島連峰を眺めることができるんですね。

 神話が生まれたとされる高千穂峰を望みながら、まるでその神話の世界に入り込んだかのような絶景は、本当に一度見ていただきたい。自分は真夏に行ったのですが、夜は本当に涼しくて、寝るときは肌寒いくらいでした。夏とはいえ、少し羽織るものを用意した方がいいかもしれません。

場内は区画サイトになっており、場所によっては霧島連峰も見える

 他にも展望台があるんですが、そこも絶景ポイントとして有名で、ぜひ訪れて欲しい場所。そこの周辺にたくさんある巨石は、よく見ると洗面台ほどのくぼみがくり抜いてあるんですね。これは何かと管理人さんに聞いてみたところ、古代の人々が霧島連峰を崇拝対象にしてここでお祈りしていて、その石のくぼみは古代の手水舎の跡なのだそうです。キャンプ場にも古代の名残りがあり、歴史を感じさせる場所であります。

場内や管理棟の中はウェスタン調に統一されている

 そもそもの話ですが、神話にゆかりがある場所なのに、なぜキャンプ場の名前にテキサス州のベルトン市の名前が付けられているのでしょう。その理由は、1994年にえびの市とベルトン市が姉妹都市になったから。その記念に整備されたのが、この矢岳高原ベルトンキャンプ場というわけなんですね。こんな神々しい絶景のキャンプ場が、なぜウェスタン調にまとめられているのか、その理由がよく分かりましたね。