■無人廃墟でも繁栄当時のままの町並みが残る軍艦島

軍艦島の貯炭場ベルトコンベアー跡(撮影:小石えりこ)

 軍艦島上陸ツアーを運航しているのは5社。それぞれ公式HPか電話から予約ができる。料金は大人3600円からで、船の大きさや上陸不可だったときの対応(※)、近隣の高島(世界遺産の高島炭鉱)への上陸の有無、乗船場所などの違いがある。
(※いずれの会社も100%の上陸保証はなく、風速や波高などにより上陸できないこともある)

●軍艦島コンシェルジュ(ユニバーサルワーカーズ)

URL:https://www.gunkanjima-concierge.com/

●軍艦島上陸クルーズ(高島海運交通)

URL:https://www.gunkanjima-cruise.jp/

●軍艦島上陸周遊クルーズ(やまさ海運)

URL:https://www.gunkan-jima.net/

●軍艦島ツアー(シーマン商会)

URL:https://www.gunkanjima-tour.jp/

●第七ゑびす丸

URL:http://www.7ebisumaru.com/cruise/

軍艦島へのツアー船(撮影:小石えりこ)

 長崎港からツアー船に乗船。筆者が参加したツアーでは、軍艦島の当時の様子が船内映像で流れていた。映像やガイドさんの案内などを楽しみながら過ごすこと約40分。長崎半島沖に浮かぶ軍艦島の姿が見えてきた。

高層住宅街が密集している軍艦島の西側エリア(撮影:小石えりこ)

 軍艦島には立ち入り禁止区間がある。高層住宅街が密集している、島の西側エリアもその一つ。ツアーでは船上から眺めることが可能だ。

かつて人々が行き交った軍艦島の町並み(写真提供:長崎県観光連盟)

 きっと、それぞれの建物に多くの物語があったのだろう。人々の賑わう声が聞こえてきそうである。

日本最古の7階建て鉄筋コンクリート住宅(撮影:小石えりこ)

 いよいよ軍艦島に上陸だ。すると、目の前に広がる景色に圧倒される。炭鉱の閉山から何十年と放置された島は荒れに荒れ、建物の崩壊が進んだ。しかし、廃墟ながら当時の町並みがそのまま残っており、人々の在りし日の生活が感じられる。

 日本最古の7階建て鉄筋コンクリート住宅も見学できる。100年以上の歴史を背負いながら立ち続けているが、年々崩壊が進んでおり、いつかこの建物も形がなくなってしまうかもしれない。まさに一期一会の姿なのだ。