和歌山県有田市と日高郡エリアの夏は、海沿いの特性を生かしたアクティビティや観光、グルメが楽しめる貴重なスポットだ。「日本のエーゲ海」と呼ばれる「白崎海岸」は、石灰岩の白い岸壁と紺碧の海が織りなすコントラストが絶景。海は青く澄み切り、SUP（サップ）やダイビングなども楽しめる。
また、国内では珍しい扇形の棚田「あらぎ島」は抜群の存在感を誇り、グルメでは近くの漁港から水揚げされる新鮮な「しらす」や伊勢海老、県ブランドの「熊野牛」など、ご当地の料理が自慢だ。
今回は夏の有田・日高エリアでアクティブに、そして珍しい景色や現地グルメを楽しむ家族旅行のプランを紹介する。
■洞窟コースが楽しめるSUP
和歌山県はアクティビティ施設が多く、有田市の「ヤビツビレッジ」ではSUPクルージングの体験が人気。海の流れが穏やかなプライベートビーチで、10歳以上なら初心者でも安心してチャレンジできる。
岸壁が洞窟になっているコースもあり、とくに未経験の人にとっては冒険のような感覚で、その時間は新鮮そのもの。コースは2時間で料金は1人5500円(税込)。申し込みなどはホームページに記載されている。
●ヤビツビレッジ
・住所：和歌山県有田市宮崎町1534
・電話：090-6871-9332
・URL：http://yabitsuvillage.com/
■熱帯魚を間近にダイビング体験
由良町の白崎海岸がある県立自然公園「白崎海洋公園」は、シュノーケリングやダイビングの体験場所になっている。運営する「スクーバサポートサービスTRYS」では初心者から水中写真やライセンス取得まで、目的や技能に応じたプランが用意されている。
ダイバーたちに人気のエリアだが、4年前に紀伊半島を直撃した台風の影響で被害を受け、一時はダイビングの活動が自粛に追い込まれてしまった。そのため、かつてのにぎわいを取り戻そうと地元有志らがクラウドファンディングで資金を集め、再生に向けて取り組んでいる。
周辺の海は澄んでいて美しく、クマノミなどの熱帯魚の群れやサンゴ礁を間近に眺めることもできる。6歳から楽しめるコースもあるので、この夏にトライしてみては!?
●スクーバサポートサービスTRYS
・住所：和歌山県日高郡由良町大引3-2
・電話：0738-65-3331
・URL：https://www.ssstrys.co.jp/
■美しい白崎海岸は「日本のエーゲ海」
海でアクティビティを楽しんだ後は、ここでしか見られない珍しい風景を堪能しよう。由良町の「白崎海岸」は岬全体が白い石灰岩でできた岸壁で、人類が地球に誕生するはるか2億5000万年以上も前にできたと言われている。
海岸にある「白崎海洋公園」は海が一望できる展望台や散歩コースがあり、潮風を浴びながら時が経つのを忘れてしまうような穏やかなひとときが過ごせる。周囲に広がる青い海や空を背にくっきりとした白い岸壁が浮かび上がる様子は「日本のエーゲ海」と呼ばれるのにふさわしく、目に飛び込んでくるような迫力がある。
「日本の渚100 選」にも選ばれている展望台からの太平洋の眺めは壮大。青い海と太陽に照らされて白く輝く海岸の景色は鮮やかで、淡路島や四国を見渡すことができる。
■珍しい扇形の棚田「あらぎ島」は神秘のアート
有田川町の棚田「あらぎ島」は県内で唯一「日本棚田百選」に選ばれている。弧を描くように流れる有田川に囲まれた美しい扇形で、江戸時代初期に開発された。
対岸の展望所からは、四季折々のあらぎ島の表情がうかがえ、季節を問わずに多くの観光客が訪れる。田んぼの縦横の区分けは規則性があるようでランダムにも見え「パッチワーク風」のアートのようだ。その神秘的な模様と日本古来の田んぼの風景が融合する様子は、何ともいえない美しさがある。
