■「海自カレー」でまちおこし

12種類あるオリジナルの「海自カレー」。舞鶴観光ではぜひ、食べておきたい(写真提供:海の京都DMO)

 舞鶴では明治時代に海軍の拠点が置かれたこともあり、今も「海軍料理」を受け継ぐ文化がある。その代表的なものがカレーライス。そもそも「明治時代にイギリス海軍から日本海軍に伝えられた」とされている。

 現在、全国の海上自衛隊では毎週金曜日にカレーを食べる習慣があり、それにちなんだ舞鶴のグルメとして「海自カレー」が浸透。市内では、海上自衛隊のレシピを受け継ぎ、認定された12種類の「海自オリジナルカレー」が食べられる店があるので、観光を機にぜひ、足を運んでもらいたい。

 補足として、毎週金曜日にカレーを食べる習慣は長い期間、海の上で過ごす隊員たちが、決まった曜日に同じメニューを食べることで曜日感覚を失わないようにするためと言われている。これにちなんで、舞鶴市では一般の人にも「金曜日はカレーの日」が定着しつつあるといい、地域における自衛隊の存在感の大きさがうかがえる。

■舞鶴の夏グルメの代表格「岩ガキ」と「トビウオ」

「海のミルク」と呼ばれる「岩ガキ」は、クリーミーな味わいが広がる舞鶴夏グルメの代表格(写真提供:舞鶴港とれとれセンター)

 また、日本海の幸が豊富な舞鶴市は海鮮料理の店も多い。なかでも、夏に大人気なのが「岩ガキ」だ。「海のミルク」と呼ばれ、人間が必要とするほぼ全ての栄養素を含んでいるといわれている。消化もよく、他の食材と一緒に食べると、その消化を助ける優れた効果もある。

 生ガキにレモンをしぼって食べると、濃厚でクリーミーな独特の味わいが口いっぱいに広がり「この風味がたまらない」と人気になっている。さらに、トビウオも舞鶴では定番の夏グルメ。引き締まった身は脂が少なく淡白な味わいが特徴だ。

 街の象徴ともいえる迫力ある護衛艦や赤れんがの風景。そして、近代日本から受け継がれた文化、哀愁と新しさを感じさせられる舞鶴市は、どこか不思議な街だが、魅力であふれている。