梅雨入りを直前に控えた6月頭。毎年この時期に見頃を迎える山の花の代表格といえば、九州各地の高山に自生するツツジの一種「ミヤマキリシマ」だろう。

 名所として知られる九重連山では、例年山肌をピンクに覆い尽くすほどの群生が見られる。今年の咲き具合はいかほどだろうか。

■残念ながら例年の2〜3割の咲き具合

例年を知らなければ、十分美しい景色だが…

 例年、今の時期は平治岳(ひいじだけ)、大船山などが、文字通り一面がピンクに染まるほどの圧巻の大群落が見られる。

 しかし、今年は虫の食害により、花の数は少なめ。シャクトリムシが葉や蕾を食い荒らしており、場所によってはミヤマキリシマの茶色い株が斜面を埋めているほど。

 毎年足を運んでいる地元登山者によれば、「今年の九重周辺は、いつもの2〜3割しか咲いていない。まあ、自然のことだから、年によって多少の当たり外れはある」と言う。

 とはいえ、初めて訪れるならば十二分に満喫できるくらいのミヤマキリシマが咲いている。見頃は6月の中旬頃まで。

この茶色く見える部分がシャクトリムシにやられた株たち