山形県の最南端、米沢市に位置する天元台スキー場は、冬季には100%の天然雪に包まれるパウダーの宝庫。しかし初夏から秋にかけては、爽やかな空気の中でアクティビティを楽しめる高原リゾートエリアに様変わりする。冬とは違った楽しみが待っている、夏の天元台高原の魅力をぜひ知っておこう。

■ロープウェイ&リフトの空中散歩

山麓から高原まで高低差430mを6分かけて運んでくれる天元台ロープウェイ

 天元台高原へのアクセスは、山麓の湯元駅からロープウェイを利用。スキー場が広がる高原エリアまでの高低差430mを一気に運んでくれる。新緑に輝く山を眺めながら、空中散歩を楽しんだら山頂駅舎に到着だ。標高1350mに広がる高原は、夏でも風が涼しく爽やかなので避暑にぴったり。

 展望台もあり、タイミングが合えば雲海の絶景を見ることもできる。高原は西吾妻山の麓に位置し、ゴンドラ山頂駅舎のすぐ前には自然の恵みを感じられる「西吾妻山の長命水」の水場があり、長生きができる水として喉を潤してくれる。

■MTBタイプのE-BIKEを利用して、展望台や愛の鐘をめぐる

E-BIKEなら上り坂もすいすい進める。ヘルメットもレンタル可能

 高原には展望台が複数点在し、「パノラマ展望台」は眼下に米沢盆地が広がる人気のビューポイント。晴れていれば、飯豊山や朝日岳、月山、鳥海山、蔵王山の山形県を代表する5つの山を見ることもできる。

 ほかにも、落差約40mの滝を見下ろせる「火焔(ひのほえ)の滝展望台」、吾妻連峰の山々や最上川源流のひとつである明道の滝などが見える「中吾妻展望台」など、ビュースポットが最高だ。また、高原内には「安全の鐘」「希望の鐘」「幸福の鐘」という3つの愛の鐘があり、すべて鳴らすと願いが叶うと言われている。

 あちこち歩いて回るのは大変という人でも大丈夫。電動アシスト機能がついた「E-BIKE」のレンタルを使えば移動が楽ちんだ。マウンテンバイクタイプなので、草地などのナチュラルな地形もすいすい進む。夏のゲレンデは草原のようで、ロープウェイ山頂付近をぐるっと周遊するだけでも気持ちいい。現在、E-BIKEのレンタルについては、体験イベントなどの実施日のみ受け付けとなっているため、事前に天元台高原に確認しておこう。

■日本一長い夏山リフトに乗って、山野草を楽しむ

リフトトップは標高1820mもあるので、真夏でも空気がかなりひんやりしている

 夏の高原は可憐な山野草が色とりどりに色づく花の季節。天元台高原の夏山リフトは、リフト3基を乗り継いで標高1820mまで行ける、「日本一長い夏山リフト」だ。足元にはさまざまな花が咲き、空から植物園を楽しんでいるような気分になれる。

 ちなみに、高原にある3つの鐘のうち、「安全の鐘」はリフト最上部に設置されている。西吾妻山に向かう登山口があるため、入山前に鐘を鳴らして登山に向かう人が多いのだという。また、山頂からリフトで降りてくるときは、高原内に並んだペンションビレッジやその向こうに広がる米沢盆地を、展望台より高い位置から見下ろすことができる。