夏のキャンプでは、暖をとる必要もないし、焚き火をわざわざやる必要はないと思うかもしれない。

 寒い時期に行う焚き火にはあたたまるという目的があるが、夏は暑く「不要」だという意見やイメージが強く、焚き火の必要性を感じにくい。また、夏はキャンプを始める初心者も多く、その中で「暑いときに焚き火をやらない」という情報を気にしてしまって、焚き火を控えているキャンパーもいるかもしれない。

 焚き火はキャンプのメインともいえる魅力があるもの。夏でも快適にできれば、キャンプがより一層楽しめるようになるのではないだろうか。

 この記事では、夏の焚き火の魅力と楽しむコツについてお話していく。

■夏ならではの焚き火の魅力

山の中の小川のせせらぎ

 自然には「1/fゆらぎ(えふぶんのいちゆらぎ)」という人間が心地よく感じるリズムがあり、リラックス効果がある。

 1/fゆらぎは小川のせせらぎや蛍の光、自然界のあらゆるところに存在し、そして、焚き火の「炎」でも感じることができる。自然に癒しの効果があるのは、人間が五感を通じて「1/fゆらぎ」を感じ取ることで自律神経が整えられて、リラックス効果が得られるからなのだ。

 一年で最も山や森が豊かになる夏は、さまざまな虫の声や風に揺れる木々の音などを、自然を肌で感じることができる季節。自然を感じやすい夏の焚き火は、リラックス効果が高いのだ。

 夏の夜風にあたりながら焚き火の炎を眺めれば、日々のストレスから開放されることができるだろう。