さまざまなポイントで狙え、多くの釣り人から人気が高いターゲットのシーバス。使用できるルアーも幅広く、そのゲーム性の高さから釣り人を魅了してやまない。また、シーバスは手軽に行けるポイントでも80cmを超えるランカーサイズが狙える点も魅力的だ。

 そんな人気ターゲットのシーバスを手にするために、知っておきたいのが天気。天候によってシーバスの反応が変わり、釣果にも大きく影響する。なかでも最も好影響を与えるのが雨だ。本記事では、シーバスの「雨パターン」について、詳しく解説する。

■シーバスの「雨パターン」とは?

シーバス釣りで好条件となる雨(写真:山下洋太)

 シーバスの「雨パターン」とは、雨が降っている最中や、雨が降った後にシーバスが好反応を見せること。つまり「雨中」と「雨後」が鍵となる。雨の釣りは濡れて寒いからと敬遠する釣り人もいるが、この雨こそがシーバス釣りでは釣果に繋がりやすい好条件となる。

 雨パターンでシーバスを狙うには、雨の影響を受けやすい河川や河口がメインポイントになる。シーバス釣りでより多くの釣果を追い求める釣り人は、雨を逃さないようにしたい。

■雨が与えるシーバスへの影響は?

雨はシーバス釣りに好影響を与える(写真:山下洋太)

 では、雨が降るとシーバスにどのような影響があるのか、以下にまとめる。

・濁りが発生し、シーバスの警戒心が薄れる
・川の流れが強くなり、ベイトフィッシュを追い込みやすくなる
・釣り人の気配を消せる
・低気圧で魚が水面下に浮き上がる可能性がある
・高水温時には水温を下げる効果に期待がもてるため、シーバスの活性が上がる可能性がある

 このなかで雨の影響を最も強く感じられるのが濁りだ。雨が降って濁りが発生すると、シーバスの餌となる小魚の警戒心が薄れ、シーバスの活性は上がり、ルアーに反応しやすくなる。晴れや曇りの日にシーバスを狙っても釣れなかったポイントでも、雨後のタイミングではシーバスが釣れることもある。そのため、雨が降り、濁りが発生したときは特にチャンスといえる。

 雨が降ると川は増水し、流れが強くなる。川の流れが強くなると遊泳力の弱いベイトフィッシュは漂うように流され、流れの弱い場所へと避難するように移動していく。一方シーバスは、ベイトフィッシュより遥かに遊泳力が優れているため、強い流れの中を移動しながら流れの緩い場所を見つけてはベイトフィッシュを捕食する。雨の日では流れが弱い場所に集まったベイトフィッシュをシーバスが狙っていることがあるので、そのような場所は要チェックだ。

 一説によると、雨が降っているときは低気圧の影響で海面が上昇し、プランクトンが泳げずに水面直下へ上昇するといわれている。プランクトンを捕食する小魚が水面に集まり、小魚を捕食するシーバスも水面直下に浮きやすくなる可能性があるという。

 水面直下に集まった小魚を狙うシーバスはルアーで狙いやすい。そのため、低気圧による雨は、シーバスの釣果に結びつきやすいと考えられている。このほかにも、低気圧によって魚の浮き袋が膨らみ、魚が浮き上がりやすくなる可能性があるという説も。これらはあくまで推測の域を出ないが、筆者は雨中、雨後の釣行では小魚が水面に集まり、シーバスが釣れる場面に多数出合っている。

 また、シーバスは水温15〜18℃で最も活性が高くなるといわれている。しかし、夏場は水温が20℃を超える日が多い。そんな高水温の夏場でも雨が降ると一時的に水温が下がり、シーバスが積極的に捕食するケースがある。過去に筆者も真夏の雨後の釣行でシーバスの入れ食いを経験したことがあった。夏場の雨はシーバスの活性を上げる可能性が大いにあると感じている。