ロープワーク1つで、テントやタープをサラッと自在に設営するのって憧れますよね。

 昔はなんの情報もなかった時代でも、当たり前のようにロープを結んだり、新聞や雑誌を縛ったりしていたものです。現代は簡単に縛れる便利な道具が増えたのはもちろんですが、書籍やネット、YouTube動画まで情報が溢れています。しかし、逆に不思議とロープワークを苦手に感じる人が増えたように感じます。

 私が人に教える時は、難しい結び方は教えずに、昭和に戻り『固結びとその応用』しか教えないのですが、これがとても好評です。今回はなかでも人気の『固結びしか使わないトラッカーズヒッチ』を紹介します。

 動画でも紹介しますので、そちらもぜひご覧ください。

■基本の「固結び」を応用してみよう

写真は普通の「固結び」です

 まず、普通の固結びから始めます。輪っかを作り、ねじり込むだけの結び方です。

 これはさすがに、誰でもできると思います。この結び方をよく見るとは、左右のロープがねじれているのがわかるでしょう。

固結びを応用した「ひと結び」

   この固結びの結び目に指を入れると、あら不思議。『ひと結び』という結び方になります。

 特徴は片方が真っ直ぐなのに対し、もう片方が絡みついていること。このように同じ結び方でもねじらないだけで名前が変わるのです。難しい名前の結び方でも、分解して考えてみると知っている結び方の手順違いやひねりを加えたただけ、ということは多々あります。

ひと結びを2回繰り返す「ふた結び」

   さらに、このひと結びを2回繰り返すと「ふた結び」になります。

 これができると、木やペグ、ポールなどにロープを結びつけることができます。私の子どもの頃はこれだけ知ってれば良かったし、これしか知りませんでした。テントやタープを設営するだけでしたら、この結び方だけできれば問題ありません。

 このふた結びを距離を離して2回行うのが『自在結び』です。『自在結び』はさまざまなバリエーションがありますが、ひと結び(固結び)を3回以上行うだけでできてしまいます。