■黄色い妖精! モンカゲロウのハッチに高まる期待!
取材当日は、晴れてはいたものの気温は日中の一番高いときで16℃。日当たりのいいところでも涼しさを感じる天気だった。午後3時を過ぎると徐々に虫たちのハッチが盛んになり、午後4時くらいになるとモンカゲロウのダン(亜成虫)が水面を飛び交いだした。まわりで飛んでいる他の虫たちより、ひときわ大きく目立つ黄色い姿。空中に浮かぶ姿勢は妖精のようにも見える。
期待に胸を躍らせ、水面を見守ること15分……。先ほどまでよりライズは増えたが、水面を割るような激しいものは少なく、エクボのように水面を凹ませるディンプルライズ。モンカゲロウたちは、水面に浮上する前に魚たちに捕食されている様子だった……。
フワフワと辺りを飛んでいる虫たちをセグロセキレイが上手に空中で捕らえて去っていく。期待していた光景とは若干違ったが、それでも食物連鎖を観察しているのは興味深い。いずれにせよ、大量の虫にまとわりつかれながらニヤニヤしてしまうのは、釣り人(フライフィッシャー)くらいのものだろう。
夕方になると風はさらに冷え、長袖のシャツだけでは寒いくらいになった。虫たちも姿を消し、イブニングのライズ祭りは始まらなかった……。