■なぜ、誰もちゃんぽんを食べてないのだ!?

 スポーツ新聞を読んだり、週刊誌をペラペラめくったり。出来上がりを待つ間に、ふとした違和感に気がつきました。

 あれ? 周りの誰もちゃんぽん食べてなくないか!?

 その違和感の正体は、僕らの注文が届いて判明しました。

これが「江川ちゃんぽん」。麺の太さに注目

「はい、お待ちどうさま。ちゃんぽんです」

 テーブルに置かれたのは、薄焼き卵の載った焼きそばのようなもの。そう、これが田辺市(しかも江川地区限定)のちゃんぽんなのです。

熱々のうちにいただきます

 田辺市民曰く、こちらのちゃんぽんは「うどんとそばのちゃんぽん」。つまり、焼きうどんと焼きそばをちゃんぽん(混ぜ合わせ)したもので、元々はお腹の空いた漁師の方が「うどんもそばも両方食べたいから一緒に焼いちゃって」とリクエストしたことから生まれたメニューだそう。

 食べてみると、どちらの食感も味わえる「ハイブリッド焼きうどんそば」とでも言うべき美味しさでした。あっという間に完食。ご馳走様です。

 現在、江川地区の鉄板焼き店を中心に数店舗が独自の「江川ちゃんぽん」を提供しているそう。それぞれのお店の違いを食べ歩いて回るのも面白いでしょう。

■今の時期は希少グルメ「もち鰹」も食べ逃しなく

写真真ん中がもち鰹。水揚げ日にたまたま当たるかどうかは運次第

 また、この時期の南紀グルメといえば、「もち鰹」も外せないところ。タタキではなく、生でいただく鰹のことで、名前の由来は「つきたての餅」のような独特の食感にあります。

 獲れたてを船上で締めてから、数時間以内に提供できる地元でないとなかなか味わえない絶品グルメです。

めはり寿司やさんま寿司も和歌山名物

 田辺市は関東在住者にはあまり馴染みのない地域ですが、南紀白浜空港がある白浜町のお隣に位置し、羽田空港からわずか1時間少々で行けちゃいます。

 次なる旅先は、胃袋に決めてもらってはいかがでしょうか。