湯の峰温泉には通常の公衆浴場もあるが、熊野詣の湯垢離場(ゆごりば)として、世界遺産に登録されているのが「つぼ湯」という小さな温泉である。天然岩のお風呂を板で囲っただけの簡素なもので、2~3人が入るといっぱいになる。30分の貸切制で、受付でお金払って番号札をもらって順番を待って中に入る。温泉後は周辺では生卵を購入し、湯筒と呼ばれる場所で温泉卵を作れるのも楽しみの1つだ。

日によっては7回湯の色が変化するという不思議な温泉だ

 熊野古道を歩き、川の参詣道を舟と自転車で辿り、世界遺産の温泉に浸かって、そのお湯で作った温泉卵を食べる。これだけ魅力的な要素が詰まった川旅が1泊2日でできる場所は、そうはないだろう。途中の川原泊のハードルが高い人は、小雲取越の終点である小口自然の家に宿泊すれば、荷物を減らすことができる。

 パックトランピングをするのには体力も必要だが、川を絡めてどれだけ魅力的なルートを見つけ出せるかが鍵。これからハイクにも川下りにもいい季節なので、ぜひトライしてみてはどうだろうか?

おすすめ立ち寄りスポット
・全国4700社以上ある熊野神社の総本宮「熊野本宮大社」
・宿泊するなら「小口自然の家」「新宮市小口キャンプ場」
・テントサウナが楽しめる「飛雪の滝キャンプ場」
・熊野牛のランチは「手作りカフェ&レストラン 杜の郷 みるりいな」
・開湯1800年。世界遺産の温泉「湯の峰温泉」
・川原から温泉が沸く「川湯温泉」
・大露天風呂が魅力の「わたらせ温泉」
・お土産買うなら「瀞峡めぐりの里熊野川」

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