釣れない日々が続いている。まだ一度も魚を釣ったことがない。そんなとき、本命や外道に関係なく「なんでも良いから魚を釣りたい!」と思った経験は、釣り人なら誰しもあるだろう。筆者もここ最近、竿が曲がらない日々を過ごしていたため、そう思っていた。

 何の魚を狙いに行こうか悩んでいると、会社の後輩から有力な情報を得た。「アメリカナマズなら絶対に釣れますよ」と後輩は言う。その話を聞いて、いても立ってもいられなくなり、次の日の仕事終わり、早速アメリカナマズを釣りに車を走らせた。

■会社終わりにアメリカナマズを狙う

ボウズが続いているため、いつもより竿とリールを握る手に力が入る(写真:outdoor_hikky)

 場所は利根川の支流、常陸利根川。利根川や霞ヶ浦でも釣れるみたいだが、後輩から紹介してもらった場所が常陸利根川だったため、そこへ足を運んだ。後々調べたところ、霞ヶ浦はアメリカナマズ釣りのメッカだそうだ。機会があれば行ってみたいと思う。

 仕事終わりなので、当然夜からの釣りになる。しかし、ナマズは夜行性の魚なので、むしろ好都合だ。仕掛けもエサも適当で大丈夫と言われた。そのため、リールから出ている糸に「三又サルカン」を結び、そこに針とオモリを糸で繋げるだけという非常にシンプルな仕掛けにした。

 エサは家にあった冷凍のサバを使用。同僚はコンビニで買った唐揚げでも釣れたと言っていたが、そこまで大胆にはなれなかった。

■止まらないアメリカナマズのアタリ

日本のナマズと比べて、緑っぽい体色が目立つアメリカナマズ(写真:outdoor_hikky)

 サバを針にセットし、夜の常陸利根川へ投げ入れる。下流域ということもあり、常陸利根川の川幅はかなり広い。夜では向こう岸がまったく見えないため、海で夜釣りしているような気分になる。

 エサを入れてしばらくの間は音沙汰なし。まさかアメリカナマズですら釣れないのかと少し不安になったが、完全に杞憂だった。アタリが出たと思うと、すぐに最初の1匹が釣れた。30cm程度のアメリカナマズだ。1m近くまで成長する魚なので、まだまだ子どもだろう。そして、この1匹を皮切りにアメリカナマズの猛攻が始まった。

2匹目も30cm程度の子どもサイズ。この場所は大きい個体がいないのだろうか(写真:outdoor_hikky)

 2匹目は仕掛けを投げ入れて、オモリが川底に着く前に食ってきた。相当食欲旺盛な魚らしい。その後も仕掛けを投げ入れたが、とにかくアタリが止まらなかった。仕掛けを投げ入れておけば、エサが外れない限り常にアタリがある状態だった。

猫のようなヒゲが生えているため英語ではキャットフィッシュと呼ぶが、たしかに猫っぽい(写真:outdoor_hikky)

 19時から釣りを開始し、20時で切り上げた。1時間で釣れたアメリカナマズは6匹。そこまで数が多いとは思えないかもしれない。しかし、針から外す時間やエサを付け直す時間もある。なので、感覚としては竿を持っている間はずっとアタリがあるような感じだった。

 やはり竿にブルブルとしたアタリの感覚があるのは楽しい。もちろんアメリカナマズがかかれば、魚の引きを楽しめる。とにかく魚を釣りたい、魚のアタリを味わいたいという人には、ぜひアメリカナマズ釣りをおすすめしたい。

■なんでも良いから魚を釣りたい人におすすめのアメリカナマズ

 この日たまたま釣れただけという可能性もあるため、念のためもう一度アメリカナマズを釣るために常陸利根川へ足を運んだ。その日もアタリは止まらず、短い時間でコンスタントに釣ることができた。技術は必要なく、ただ仕掛けを投げ入れるだけ。初心者にもおすすめできる楽しい釣りだ。とにかく魚を釣りたい人にはぜひおすすめしたい。

 アメリカナマズは特定外来生物に指定されており、生きたままの移動が禁止されている。家で飼うために持ち帰ることも当然ご法度だ。食べるためだとしても、その場で絞めてから持ち帰らなくてはならない。釣りあげたら針を外し、その場でリリースしよう。

 針を外すときは背ビレ、胸ビレ、エラの鋭いトゲに注意して欲しい。フィッシュグリップがあると安全なので使用をおすすめする。また、魚を地面に捨てる行為も決してやってはいけない。ルールを守ってアメリカナマズ釣りを楽しもう。