桃や葡萄といった果実の生産量、味ともに全国に誇る山梨県はまさにフルーツ王国だ。そんな山梨、甲府盆地の春は果樹の花々に彩られる季節でもある。平地を取り囲むように山に囲まれているため、山麓からどの方向に上がっても素晴らしい見晴らしが待っている。

■まさに桃源郷! 桜と桃の花の共演で彩られる絢爛な眺め!

桜と桃の花が共演している春の笛吹の景色

 標高の低いところの桜はピークを過ぎ、風に吹かれて舞い散る桜吹雪となっている。入れ替わるように桃の花がいたるところで濃いピンクの花を咲かせ始めている。そこかしこに桃畑は広がり、ピンクの絨毯のようになるのももうすぐだ。

 高台の桜は今まさに満開で、4月の降雪で甲府盆地をとり囲む山の峰々は白く輝いている。桜や桃のピンクの彩りとのコントラストは美しく、まさに桃源郷さながらの景色だ。

ほころび出した桃の花。4月の雪で大菩薩嶺の峰も白くなっていた

■甲府盆地を見下ろすお花見スポット「八代ふるさと公園」

笛吹市の高台にある「八代ふるさと公園」は桜が満開だった

 4月の初日、笛吹市の南部、御坂山地の丘陵にある「八代(やつしろ)ふるさと公園」は、平日にもかかわらず多くの人出となっていた。山肌の傾斜地にある園内には前方後円墳「銚子塚古墳」と「盃塚古墳」が復元されており、起伏に富んだ立体的な地形となっている。元気に駆け回る子どもたちは遊びに夢中。大人たちは咲き誇る花々にカメラのレンズを向けて写真を撮るのに没頭している。

 他にも「みさか桃源郷公園」や「桃の里(金沢)憩いの森公園」、「釈迦堂遺跡博物館」などのお花見に最適なスポットがいっぱいある。ドライブがてら花の開花に合わせてどこが一番見応えがあるかを探索するのも楽しい。