東京からJR中央線(下り)に乗り山梨県に入ってしばらくすると、車窓から西側に景色が開けてくる。山間の景色がちょうどここでパノラマに変わる。その開放感を味わうために、(進行方向)左の席に乗車する人も多いだろう。
東京の桜が満開のニュースを伝えたのと同じ頃、山梨県、甲府盆地でも低い場所から開花が目立つようになる。桜の花は徐々に山を登り、高台にある「勝沼ぶどう郷駅」では見頃となっていた(2022年3月30日)。
■「勝沼ぶどう郷駅」中央線沿線有数のお花見名所!
勝沼ぶどう郷駅周辺には約600本の桜並木が広がり、「甚六桜」と呼ばれている。地元の「甚六会」が1977年に2000本の桜を植えたことから名づけられ、現在まで、地域の人々に大切に管理されている。
併設される旧「勝沼駅」[1913年(大正2)開業]は現在公園になっており、古い車両も展示されている。入場は自由で、新旧2つのプラットホームが並んでいる状態なのもユニーク。
桜の開花に合わせて県内外から多くの見物客が訪れ、見事な桜並木の下をゆっくりと歩きながら、桜や景色を思い思いに楽しんでいる様子だった。
■甲府盆地と南アルプスの眺めもバッチリ!
勝沼ぶどう郷駅は標高480m付近の高台に位置する。西に向かって視界が開けており、晴れた日には展望も楽しめる。まさに盆地状の地形をひと目で実感でき、その奥には南アルプスの雄大な眺めを楽しめる。
春の緩んだ風に揺れる薄紅色の花々の奥、残雪で白く輝く山並みが連なる様子は清々しく壮観だ。