■ワインと葡萄を運んだ歴史ある駅

手前はかつての線路の跡。横を走る特急列車E353系

 かつて、山梨の葡萄は甲州街道を馬で数日かけて運ばれていたという。鉄道が通ってから東京までは半日で輸送ができるようになり、勝沼の葡萄・ワイン産業は発展してきた。

 駅までの道のりは急勾配で、そのため当初はスイッチバック式(※)であった。駅の長さは2kmあまりあったようだ。南側にはその頃の歴史の跡が今も残っている。

※ 列車の登坂能力を越えた急坂の場合、斜面にジグザグに線路を敷いて勾配を緩和し、列車を前進させたり後退させたりしながら坂を登っていく方式

■“撮り鉄”にも人気のスポット!  電車で行くのがベスト!?

現役を引退した車両が展示されている。桜がよく似合う

 目的地として訪れるのが一番スムーズだが、(通過中に車窓から楽しむのは一瞬すぎるので)途中下車して楽しむのもいいだろう。駅に停車する電車は1時間に1〜2本だが、通過する電車はそれ以上に多く、電車と桜を組み合わせた写真を狙う“撮り鉄”たちにも人気のスポットだ。

 マイカー利用の場合、駅の駐車場はすぐに満車となる。お花見時期は近くに臨時駐車場も用意されるが、週末は特に混みあうので早い時間に訪れるようにするのが賢明。

列車がやってくると、みんな一斉にカメラを向ける!

 桜の見頃は今週末あたりまでだろうか。桜のピークを過ぎても、その後を追いかけるようにして桃の開花が始まる。濃いピンクの花の絨毯が山肌を彩る様子も見応え十分! 春の山梨は花のラッシュだ。