焚き火に失敗はつきもの。うまく火がつかなかったからといって、いちいち落ち込む必要はない。私は「失敗こそ、スキルアップへの近道」だと考えている。

 正しい方法で火起こしをしても、状況によっては必ずしも火がつくわけではない。天候や薪の状態によっては、なかなか火がつかないことだってあり得るのだ。

 しかし、失敗には必ず理由がある。ここでは、よくある失敗例を4つ挙げてみる。この4つのパターンを避ければ失敗の確率は減らせるはず。なかなか着火が上達しない方は、自分の焚き火と見比べてみよう。

■失敗例1:焚きつけを使っていない

薪が細ければ、これでつくこともあるが……

 正しく薪が組めていても、焚きつけ(枝、小枝、細い薪)が十分にないと、薪は燃えてくれない。着火剤や紙を使うと、焚きつけがなくても一見燃えているように錯覚してしまうが、これはただ着火剤や紙自体が燃えているだけ。薪に燃え移る前に、表面が焦げるだけで終わってしまうことが多い。着火剤と太い薪を繋ぐための焚きつけを用意しよう。

■失敗例2:薪の「上」で着火している

右下のつけ方が正解

 これもよく見る失敗例。炎は必ず上方向に燃え広がる。つまり、炎の上に薪がないと意味がない。一旦、火をつけてしまうと、そこから調整し直すのは難しいので、まず火種を薪の下にセットしてから着火しよう。同じ理論で、薪を追加するときも「上」を意識する