NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は大泉洋が演じる源頼朝が鎌倉幕府を開いて、頼朝公の死後に13人の御家人と共に日本初の武家政権を立ち上げる様を描いている。

 静岡県静岡市にある梶原山はこの13人の御家人のうちの1人、中村獅童演じる梶原景時(かじわらのかげとき)が終焉を迎えた地であり、ハイキングコースとして地元民に親しまれている。

 今回は富士山と駿河湾、静岡市街を一望できる梶原景時ゆかりの地、梶原山のハイキングコースと、梶原景時の鎌倉武将としての魅力を紹介していこう

■梶原景時ゆかりの地、梶原山

 梶原景時は平家に忠誠を誓い、坂東武士の中で力のある大庭景親氏に仕えていた武将。梶原景時は大庭氏と共に、源頼朝が最初に挙兵した際に立ち塞がるが、現在の神奈川県小田原市で起きた「石橋山の戦い」で頼朝公が敗走し、洞窟に身を隠していたところを見つけるも、見なかったフリをして見逃した武将である。

 その後、梶原景親は平家側についていた主君・大庭氏を見限り、頼朝公の鎌倉入りを陰ながら支援。梶原景時のお陰で九死に一生を得た頼朝公は、見逃してくれた梶原景時への恩を忘れず、鎌倉幕府の高位の役職「侍所所司」に任命する。

 鎌倉幕府では13人の御家人が頼朝公の補佐を担い、合議制のもと政治を進めた。生真面目で一貫した信念をもつ梶原景時は、大河ドラマでも異様な存在感を醸し出しながら、頼朝公に使える13人の合議制のうちの1人として、有力御家人として活躍している。

 ネタバレになるので詳細は省くが、頼朝公の死後、梶原景時は息子たちと共に鎌倉を追われてしまう(梶原景時の変)。静岡県静岡市にある標高279mの梶原山は、京都に逃れようとした梶原親子が坂東武士たちに追いつかれ、敗走し、自害した場所と伝えられている。

 梶原親子が終焉を迎えた場所は現在「梶原公園」として、梶原山ハイキングのゴール地点として整備されている。