強い寒気の影響による年末年始の大雪をはじめ、今季は降雪たっぷりの野沢温泉スキー場

 野沢温泉スキー場がある長野県の北信地域は豪雪エリアとして有名だ。ここ数年は、暖冬傾向で積雪が少ないシーズンが続いたが、21-22季は降雪の日が多く、たっぷりの雪を長く滑れる期待大。

 スキー場公式サイトに積雪量などのゲレンデコンディションが紹介されているが、現在(2022年3月12日時点)は標高1407mの「やまびこエリア」の積雪が370cm。この時期これだけ積雪があれば、これからの春シーズンも十分の雪を楽しめそうだ。また、野沢温泉や飯山にそれぞれ「道の駅」があり、食事や買い物などアフタースノーの立ち寄りどころも充実している。

■「これぞ北信!」と実感できる今季の積雪量

降雪時は非圧雪エリアまで行かなくてもコース脇などあちこちでパウダーが味わえた

 21-22季の冬はラニーニャ現象の影響で雪が多く、寒いシーズンになるとの予報が出ていた。シーズンが始まる前から「今季はたっぷりのパウダーが楽しめそう!」とわくわくしたし、実際に年末には、数年に一度クラスの強い寒気が流れ込み、日本海側にたくさんの雪をもたらした。その勢いたるや、スキー場で滑走している半日ほどで車が埋まるほどの積雪量だ。昨季もシーズンはじめは積雪が豊富だったが、その後は雪があまり降らず、春にはみるみる雪が解けて、冬が終わってみると「意外と暖冬だったかも」という気分だった。しかし今季の北信は、シーズンを通してコンスタントに雪が降り、ときどきドカッと積もる日も。野沢温泉スキー場の21-22季の営業期間は5月8日までを予定。滑れるシーズンはまだまだ長い!

■ラグジュアリーな「新長坂ゴンドラ」も体験を

スイス製のラグジュアリーなゴンドラキャビン。夏季は床までスケルトンの特別キャビンが2基だけ登場するという

 ここ最近の野沢温泉スキー場の話題といえば、昨季、リニューアルオープンした「新長坂ゴンドラ」だろう。以前のゴンドラキャビンは立って乗るタイプだったが、新しいキャビンは5人用の座席が対面式に設置された10人乗りタイプ。幅の広いレザーシートはソフトで適度な反発がある快適な座り心地だ。床以外が窓ガラスで囲まれたスケルトン仕様で、360度で雪景色を楽しめるのもすばらしい。加えて、日本初となる換気機能も搭載。外気を自動で取り込み、窓から排出することでキャビン内の空気を短時間で入れ替えられるというすぐれものだ。また、いままでは中間駅となる「湯の峰駅」を経て山頂の「やまびこ駅」に上がったが、新ゴンドラは山麓から山頂まで一直線に向かうルートに変更されており、主要時間約8分で一気に山頂駅まで運んでくれる。

■ゴンドラ山頂はビギナーやファミリーも楽しく滑れる

上ノ平ゲレンデ下にあるレストラン。日影ゴンドラを上がってこのエリアにアクセスも可能だ

 野沢温泉スキー場は積雪量だけでなく、コース数は44コース、最長滑走距離10kmとバリエーションがとにかく豊富。名物コースも数多いが、とりわけ最上部の「やまびこゲレンデ」は標高が高いだけあって、シーズン後半まで雪の量も質も十分だ。新長坂ゴンドラの山頂駅舎が以前の場所より少し高い位置に新設されたため、ゴンドラを降りてすぐ「やまびこエリア」に滑り込めるようになっている。ゴンドラ山頂駅のすぐ下に広がる「上ノ平ゲレンデ」は、広く緩やかなので、初級者や子どもだって標高の高い場所で滑りを楽しむことが可能だ。ほかにも、尾根沿いのコースを抜けて山麓まで滑り込む「スカイラインコース」など、緩急にさまざまな名物コースを堪能できる。

■「ゲレ食バトル」初代王者のランチメニューも見逃せない

鉄板で焼き上げたステーキはガーリックが効いているので食欲をそそる

 スキー場内は広大なゲレンデ内にあまたの飲食店が点在している。人気のメニューのひとつが、旧やまびこ駅の2階の「レストハウスやまびこ」で食べられる「ガーリックステーキライス」だ。野沢菜ライスに焼きたてのビーフステーキをのせたこの料理は、長野県内スキー場の人気ゲレンデ料理を決める「ゲレ食バトル」で初代チャンピオンに選ばれた由緒あるメニュー。少々値のはるメニューだが、野沢菜などご当地色も含まれていて、ボリュームも十分なうえ、味も申し分なしなので食べる価値アリだ。