■雪育アートのルール
森脇「「スコップしか使わない」「スコップでの削り出しで行なう(雪を盛って形成しない)」「直接雪を触らない(車に顔を描くとき以外)」といったルールのもと行っています。誰にでも手軽に真似してほしいですし、雪かきのついでにちょっとした時間で誰でも行えるアート活動をイメージしています。ついつい手が込んでしまうこともありますけど(笑)」
■誰かに壊されて初めて完成
森脇「日本の美の価値観の一つに侘び寂び(ワビサビ)があります。形が壊れていったり朽ちていくさまを楽しむのと同じように、誰かがいたずらして壊れたり、雪が降り積もって形がなくなって完成という気持ちで作っています。近所に住んでいるおじいちゃんが綺麗に除雪するのですが、実は大変な思いをしながらも、どこかで除雪に楽しさを見出している部分があるんだろうなと思っています。これと同じような感覚です」
■雪育アートを通じたコミュニケーション
森脇「いつも夜に帰宅し、除雪をして雪育アートを制作しています。そして、次の日の夜には誰かが壊していたり、遊んだ形跡が残っているんです。誰がやっているのかわかりませんので「まだ見ぬ君」と勝手に名付けて時間を隔てたコミュニケーションを取っています。今年は結構やりとりができました」