冬の寒さが和らぎ、里山にも春の気配が訪れる。今年は雪の多いシーズンであったこともあり、春の訪れを待ち侘びている人も多いだろう。

 雪解けとともに色とりどりの花が咲きはじめ、穏やかな気候のなかで低山登山を快適に楽しめるシーズンの始まりである。

 春シーズンの到来に「これから登山を始めよう!」と意気込んでいる人に向けて、関東近郊で「往復歩行目安3時間以内」で登れる「入門登山」におすすめの「4つの山」を紹介する。

■御岳山(929m)~ロックガーデン周回コース【歩行目安:2時間45分】

ロックガーデン(画像:Mountain DC)

 古くから霊山として崇められてきた「御岳山」は奥多摩登山入門の山。JR青梅線「御嶽駅」からバスで「滝本駅」へ(所要10分)ケーブルカーを利用して「御岳山駅」で降りたら、わずか30分の歩行で山頂「武蔵御嶽神社」に立てる。

 山頂神社で参拝した後は、豊かな自然が創り出した「ロックガーデン」を巡るハイキングコースがおすすめ。清流と岩・苔が織りなす情景は「芸術的」で、スピリチュアルな雰囲気も相まって、外国人にも人気が高いコースだ。

禊の滝行で有名「綾広の滝」(画像:Mountain DC)

 ロックガーデンにある「綾広の滝」は、いまでも禊の「滝行」が行われることでも有名。その他にも、天狗岩・七代の滝・天狗の腰掛け杉など多くの見どころがある。御岳山駅から神社までの間には、たくさん食堂・お土産屋が並んでいるので、ランチ・休憩場所にも困らない。

■高尾山(599m)【歩行目安:2~3時間】

高尾山山頂広場(画像:Mountain DC)

 高尾山は、都心(新宿)から「わずか1時間ほど」でアクセス可能、リフト・ケーブルカー利用で「観光がてら登れる山」として人気が高い。1〜6号路までいくつもの登山道があるので、自分の力量に合わせてコース取りを決められるところが魅力だ。

 1番人気は1号路で、高尾山の最大の見どころである「薬王院」がある「高尾山表参道」を歩くコースだ。薬王院は「天狗」にまつわるさまざまなご利益が得られると伝わるパワースポットとして知られ、舗装された道を歩くので身軽な格好の観光客も多い。

 山らしい道を歩きたければ、手付かずの自然に囲まれた6号路がおすすめ。6号路から1時間半かけて「山道」を登り、下りは1号路で「観光スポット」を巡りながら下山するなど、往復別々の組み合わせもおすすめ(途中リフト乗車も可能)。

 もちろんご当地グルメも豊富!  コース選び次第で、何度来ても楽しめるのが自然のテーマパーク「高尾山」である。