私は焚き火道具の1つとして、ガンタイプのデジタル温度計を持っている。コロナ禍の影響で手に入れたのではなく、焚き火用にとプレゼントでもらったのだ。

 普段意識することはないだろうが、火の温度が具体的な数値で視覚化されると、焚き火の流れが手にとるようにわかる。

炎の温度は300℃?  1000℃?

 日常生活に関する「温度」といえば、体温と気温、お風呂の温度くらいしか気にかけることはないだろう。火がつく瞬間の温度、見た目には燃え尽きている焚き火の温度などなど、測ってみると火の状態と温度の深い関係性が見えてくる。燃え始めから鎮火までの温度を測ってみよう。

■燃え始めから鎮火までの温度変化

燃え始めは約200℃

 着火後、温度は急上昇。まず薪は100℃を超えて、内包する水分を蒸発させる。水分が抜けて250℃程度まで温度が上がると、薪から可燃性ガスが生じて燃焼し始める。

 燃焼し始めるまではじっと待つ。しっかり薪が組めていて燃焼するための空気が十分にあるときは、火吹き棒で冷たい空気を吹き込んでしまうのはよくある間違い。燃焼に必要な温度が下がってしまうので逆効果だ。