4年に1度の冬季五輪が開催される冬がやってきた。双葉社より発売中のスキー専門誌「BRAVOSKI」より北京オリンピック直前情報の中から、フリースタイルスキーに限定した観戦ガイドを連載でお届け。第5回目は、「スロープスタイル」について。20歳前後の若手が台頭し、変わりつつある勢力図に期待が高まる。

スキー専門誌「BRAVOSKI」より スロープスタイルの注目選手と見どころ

■注目すべきポイントは “着地”と“繋ぎ”

 4年前とは上位の顔触れが変わりそうなのがスロープスタイル。平昌五輪では北米勢や、過去に実績のあった選手が結果を残したが、最近勢いを増しているのが20歳前後の若い欧州勢だ。ヨーロッパは近年、練習環境が整備され、コロナ禍で大会がなくなった代わりに、良質なトレーニングを重ねている。

 とくに先日オーストリアで開幕したW杯で躍進を見せたノルウェーチームに注目したい。ビッグエアでもメダル争いに食い込む、バーク・ルードやフェルナンド・ダール、クリスチャン・ヌメダルがそれぞれ優勝、3位、5位と好成績を残した。躍進の理由はセクション同士の“繋ぎ”にある。

 男子は決勝に残るメンバーの実力が拮抗した状況。勝ち上がるにはすべてのアイテムをいかにスムースにランディングし、次のアイテムに繋げるかがポイントだ。とりわけノルウェーチームはその“繋ぎ”の技術に長けているのだ。

スロープスタイルの試合形式

■女子の注目選手と唯一の日本人出場者である近藤心音

 完成度が重視されるのは女子も同様だ。ジャンプでダブルコークなどの高回転系をメイクするのは必須だけに、ジブトリックをコンプリートすることが勝利への近道となる。

 ジャンプ、ジブともに安定してメイクする平昌五輪覇者のサラ・へフリン(SUI)は今回も優勝争いに必ず関わるキーパーソンだ。また、ビッグエアの回でも触れたアイリーン・グーもジブトリックに定評がある。全体をミスなく滑る安定感がオーバーオールの高得点に結びつき、優勝を狙えるポジションに付いている。

2021シーズンの主要リザルト

 

【BRAVOSKI 2022 vol.3 より再編集】