戸隠は長野市中心部から車で40分ほどの距離にある観光地。都市から近い環境ながら、ダイナミックな戸隠山をはじめとする、壮大な自然と出合えることが特徴だろう。山麓には山岳信仰から始まった戸隠神社の社が5つ点在し、歴史・文化が自然と調和した独特の雰囲気がある。深い雪に包まれた冬季は、戸隠神社の参道や周囲の森でスノーシューが楽しめ、凛とした冬ならではのうつくしい銀世界を体験することができる。
■ツアーを利用すればはじめてもでも安心！
冬季は戸隠の各エリアでスノーシューツアーを開催し、用具もレンタルできるので、スノーシューがはじめてでも気軽に挑戦可能。ガイドの案内がつくので、道に迷うことなく、神社や森林、池などの見どころを安心してめぐることができる。案内がなければ見逃しそうな絶景スポットまであますことなく立ち寄れるから、やっぱりツアーが便利なのだ。さまざまなツアーがあるが、せっかく戸隠を訪れたのなら、戸隠神社奥社の参道をめぐるツアーはぜひ体験しておきたい。県道沿いの駐車場から参道に向かい、入口の鳥居の前からさっそくツアーがスタートだ。
■冬だからこそ体験できる雪原の散策
参道をそのまま進んでもいいが、両脇の森にそのままスノーシューで分け入ることも可能だ。夏場の森は低木や藪に覆われていて、整備された遊歩道しか歩けないが、冬になると雪がすっぽりと藪を包んでしまう。夏の森にはあちこちに小さな沢もあるというが、冬はそれらも雪に埋まってしまうのだとか。地形がほぼ平坦なのでラクラクと歩け、スノーシューを履いているから足も埋まらず快適そのもの。フカフカの雪を踏みしめる感覚もこの上なく気持ちいい。木の葉の落ちた冬の森は、開放的で日差しも届き、明るく爽やかだ。
■森で出合える威風堂々たる「王様の木」
参道を外れた森の中では、「王様の木」と呼ばれるミズナラの巨木に出合うことができる。どっしりとした幹は、大人4～5人が手を繋いでやっと抱えられるほどの太さ。冬は葉をすべて落とし、四方に延びた太い枝までしっかり見える。その様子が威風堂々たる佇まいをより一層に強調している。あたりの木々の中でひときわ立派なこの巨木は、まさに森の主たる存在だ。参道を通っただけではわからない、こういった自然と触れ合えるのがスノーシューの魅力だろう。
■パワースポットとして知られる感動的な杉並木
参道入口から1kmほどの距離には朱塗り随神門がある。奥社に続く参道のほぼ中間地点で、門の先には樹齢400年以上といわれる杉並木が続く。パワースポットとして人気が高く、杉の巨木が参道沿いにまっすぐ続く様子は“聖域”らしい神秘的な雰囲気がある。この景色に出合えただけでも、スノーシューツアーを体験した価値ありだ。ただし、奥社は冬季閉殿のため参道を進むのはここでお終い。このあたりで参道を離れ、今度は戸隠森林植物園を抜けて鏡池に出発だ。
