2019年秋の大型台風により市道が被災し、約2年間閉ざされていた南アルプス北部の登山口「戸台河原」だが、2021年の年末に市道の復旧工事が完了し、今シーズンからまた利用可能となる。その復旧を記念して、戸台を起点とした冬の河原歩き、「リバーウォーキング」の楽しみ方を提案したい。

■年末から利用可能になる戸台河原から出発!

2018年年末の戸台河原駐車場の様子。駐車可能台数は約200台。当時は年末年始に山小屋が営業していたので混雑していた(撮影:松元麻希)

 冬の訪れとともに、標高2,000mの北沢峠まで通じている南アルプス林道バスの運行が終わるため、南アルプス北部を代表する3,000m峰、仙丈ヶ岳&甲斐駒ヶ岳の雪山登山の主な登山口は戸台河原となる。戸台河原駐車場へは、伊那ICから車で約50分、諏訪ICから約1時間10分。公共交通機関で訪れる場合、最寄りのJR伊那北駅からタクシーを使うと約50分でたどり着ける。

 戸台河原駐車場に着いたら、登山届の提出や身支度、トイレなどを済ませて出発! 

 ちなみに、駐車場からいちばん近い買い物スポットには道の駅「南アルプスむら長谷」があるが、開店は8時から(ミニクロワッサンが人気)。それよりも早い時間に到着予定なら、買い物はIC付近や駅周辺で済ませておこう。

 今回ご紹介するのは、この戸台河原駐車場から、北沢峠への登りが始まる「赤河原分岐」までの片道約3時間の道のり。もっと気軽に歩きたい人は、鋸岳の登山口へ続く「角兵衛沢出合」あたりで引き返すのもあり。ここまでなら、片道約2時間半で行ける。いずれにせよ、自分のペースで無理せずのんびり歩こう。

■冬の戸台リバーウォーキングに必要な装備は?

訪れる際の積雪量や気温にもよるが、チェーンスパイクを持っていると安心だ(撮影:松元麻希)

 基本的には、ルート上のほとんどがゴロゴロした石の道なので、ソールが硬めの登山靴だと歩きやすい。ところどころに氷が張っているということと、渡渉する箇所に渡されている丸太が凍っている可能性があるので、チェーンスパイクは必携だ。

 アイゼンでもよいが、石の上を歩く時間のほうが長いため、着けたままでは歩きにくい。着脱のしやすさを考えても、チェーンスパイクのほうが勝手がよいかもしれない。とはいえ、歩く際の積雪状況によって適切な装備は異なるので、参考までに。

これは2021年10月末ころの写真だが、道中にはこのように渡渉する場所が数か所あり、丸太が渡されてある。凍った丸太は非常に滑りやすいので要注意(撮影:伊那市山岳高原観光課)