■惚れ惚れするような美形ニジマスたち

流線形の魚体で均整がとれたプロポーション

 以前から何度も通っているが、箒川の魚たちはとにかく美形だ。元気でフレッシュなニジマスが多く、ヒレも張って筋肉質。目で見て健康状態が良さそうなのがわかる。手元に寄せてからも、その美しさに惚れ惚れと見入ってしまう。

約50cmのニジマス。さらに大物もいる

 サイズが大きければ重たいのは当然だが、そういった状態のいい“引き”が半端なくいいので、釣りごたえも十分ある。

■温泉の効能!?  薄紅色に染まる美しい魚体

湯気をあげながら箒川に注ぐ温泉がいたるところにあった
流入する温泉(手前)は驚愕の水温。奥が本流だ

 箒川の両側、周囲の斜面から滝のように流れ込む流れがいくつかある。湯気がもうもうと上がっているので、温泉が流入しているのだろう。ふと思いたちその温度を測ってみると、なんと20℃以上あった! 取材日の箒川本流の水温は8℃程度だったので、その差はすごい。温泉流入のおかげで、多少なりとも水温を引き上げてくれているのではないだろうか。

 いずれにせよ、そのままの温度ではトラウトには熱すぎるので、温泉が薄まり水温が程よくなっているあたり。さらにニジマスが定位しやすい条件を加味すると、おのずといいポイントが見つかるようになった。

 注意しなければいけないのは、温泉が流入している付近は温かくて快適すぎること。つい動きたくなくなってしまう……。

下流部で釣れたニジマス。エリアを通して美形の魚が多い
ほんのりと紅く染まる頰にドキドキする

 期待どおり、フレッシュで美しい魚が出てくれた。「もしかして、ニジマスにも温泉の効能があるのかも」なんて考えが浮かぶ。薄紅色にほんのりと染まった魚体は、湯上りの肌を彷彿とさせる。あながち間違っていないのかもしれない。

「湯っ歩の里」付近。温泉街と箒川の眺め

 せっかくなので、釣りの後は冷え切った身体を温めに温泉へ。さすがは塩原温泉郷。よりどりみどりで迷ってしまう……。