清らかな流れと渓谷美、そして渓流魚の美しさに定評のある群馬県の神流川。一般渓流が禁漁となった後は「冬季釣り場」が始まる。オープンしてひと月ほどが経ち、赤い紅葉が水面に映えるなか、人気の「ハコスチ」を狙いに行ってきた。

■「関東一の清流」神流川の冬季キャッチアンドリリース区間

上野村漁協の入っている川の駅「上野」の裏側、秋の神流川の流れ

 神流川は、利根川水系に属する一級河川で、群馬県南西端の上野村にある三国山に端を発する全長87kmあまりの川だ。民家の裏を流れるような里川の雰囲気と、深い谷間を削る山岳渓流の顔を併せもち、早瀬と淵が連続しており好ポイントが多い。上野村漁業協同組合(漁協)が管轄する。

川の駅「上野」。建物に入り左奥に進むと受付がある

 このエリアの一般渓流は、9月21日〜翌2月末日まで禁漁となるが、一部(「川の駅上野」を中心とした)区間を「冬季ハコスチ釣り場」としている。今年2021年は10月16日に営業を開始した。この時期に大型の美しいニジマスが釣れる貴重な釣り場ということで、連日釣り人たちでおおいに賑わっている。

※キャッチアンドリリースや魚の取り扱いについては、上野村漁協のウェブサイトを参照のこと。火曜定休となるので要注意!

上野村魚業協同組合(冬季釣り場):https://www.ueno-fc.com/winter

■ハコスチってなに?  ニジマスとは違うの?

強い“引き”と美しい魚体が魅力の「ハコスチ」

 ハコスチとは、釣りの対象魚として水産試験場が開発したニジマス(レインボートラウト)だ。野性味が強いスチールヘッド系ニジマスと、群馬県のみが保有する飼育しやすい箱島系ニジマスを交配したもの。スチールヘッド系の特徴を引き継いだ“引き”の強さと箱島系の姿形の美しさ両方をもつ、いいとこ取りの魚だ。

※群馬県が「ハコスチ」として商標登録している。