美しい景色と出会えるチャンスが多い登山やアウトドアアクティビティ。貴重な一瞬を捉えるためにカメラを持っていく人も多いだろう。SNSの普及で、その傾向にさらに拍車がかかっているようだ。携帯のカメラですませてしまう人もいるだろうが、お気に入りのカメラとレンズで写真を撮る行為は、それ自体が楽しい目的にもなる。
ただし、屋外での撮影はカメラに大敵の汚れが付きもの。きちんとケアして性能を発揮させてあげたいし、機材を長持ちさせたい。登山やスキー、釣りの撮影をメインにしているカメラマンである筆者が愛用している、カメラ機材のケアアイテムを紹介したい。
※1000円以下で買える、安い・手軽・便利をテーマに選んだ。
■ブロワーは外せない! アウトドア撮影の必携品
一日のなかでもっとも出番があるのがブロワー。カメラバックに必ず入っている。使い方はいたって簡単だ。機材にノズルの先を向け、手で握って出る風でゴミを吹き飛ばすだけだ。
アウトドア撮影に限らず重宝する一品だ。自宅用とロケ用で使い分けている。小型のものが低コストで常時携帯するのに適している(大型のものは持ち歩くには邪魔だし、少々値もはる)。
ちなみにホコリなどの汚れだけでなく、レンズの表面が曇ったり、雪が付いたりしたときもこれで吹き飛ばすことができる。
※カメラやレンズの構造によっては逆に汚れや水分を内部に入れてしまうこともあるので注意してもらいたい。落としたい異物、吹き付ける部位によっては、その部分を下に向け、機材に入り込まないように吹き付け加減も調整している。
■吸水性と速乾性にも優れるマイクロファイバー製の布はマスト! ティッシュじゃダメ?
超極細の繊維でできているマイクロファイバー製の布は汚れを簡単に取ってくれる。さらに吸水性も申し分ないうえに速乾性にも優れており、まさにアウトドアのためにあるようなもの。しかも汚れがたまってきたら、中性洗剤で手洗いし、よくすすいで乾かすだけで繰り返し使うことができる。
現場で役立つポイントは使い分けだ。最低でもレンズの表面(ガラス面)を拭く用とレンズやカメラのボディ用は分けておきたい。脂汚れがつきやすいファインダー用も僕は分けている。こうすることで、大切なレンズ面を傷から守り、効率よく汚れを落とすことができる。
※実際の撮影現場では、プロでもレンズが汚れたときにティッシュで拭く人もいる。その場合は、くれぐれもキズの原因になりそうな異物が付着してないこと(ブロワーで取り除く)を確認しよう。そっと優しく拭くこと。この場合、レンズには保護フィルターが付いていることが望ましい。あくまでも応急処置だ。
■「転ばぬ先の杖」カメラを買ったら最初に貼る! 液晶保護フィルム
カメラの背面液晶などには保護フィルムを貼っておくといい。アウトドアでハードに使っているとどうしても傷がつきやすい。たとえEVFなどの別ファインダーがあっても、背面の液晶が傷だらけになるのは気分が悪い。現場での撮影画像の確認時、ファインダーが濁っていると写真の見映えも悪くなってしまう。
カメラを購入したら、まず最初に貼ってしまうのが理想的だ。十分に汚れを落としてから慎重に貼ろう。素材が薄いものは気泡が入りやすい。はやる気持ちを抑えてゆっくりと。
各メーカーから多くの種類が発売されているが、貼りたいカメラの機種を確認して選ぼう。分厚いタイプなら衝撃からも守ってくれそうだ。細かい傷が増えて、クリアーさを失ってきたら交換時期だ。