■<選び方のポイント2>「価格は精度に比例する」

価格差は細部にこそ表れます

 マルチツールは、品質管理や設計が難しいのか、自社工場生産品が多いのが特徴です。

 そのためか輸入時に価格が跳ね上がり、機能数は変わらない格安品と比べて、価格が10倍以上違うこともあります。

 実際に両者を触ってみると、価格以上の差を感じます。メイン機能のナイフやペンチの違いはわかりにくいですが、ノコギリやヤスリなどは格安品はまったく使い物にならないものも珍しくありません。各ツールの動きも悪いため、格安品はやはり使わなくなる傾向にあります。ナイフやペンチだけしか使わないのでしたら、ナイフやペンチを単独で持つのと変わらなくなってしまいます。そう考えると、やはりおすすめは3大メジャーブランドのマルチツールです。

■<選び方のポイント3>「3大メジャーブランドを選ぶ」

信頼と実績の3大ブランド

「ビクトリノックス」は、スイスアーミーナイフとして古くから有名なブランドです。仕上げが美しく精度もピカイチ。しかし伝統を重んじる仕様で、使用頻度の高いツールも低いツールも同じように収納され、取り出しが少し面倒に感じます。

 その点アメリカの「ガーバー」は、マルチツールに求められている3つの機能(ペンチ、ナイフ、ドライバー)を中心に考えていることが特徴です。この3つだけに特化したモデル「センタードライブ」はとても使いやすい。ただし、その他のツールはおまけ程度と考えましょう。

 ビクトリノックスとガーバーの中間的存在が「レザーマン」です。ナイフ、のこぎり、ペンチ、栓抜きを中心に使いやすく、その他のツールもよく考えられ、どのツールも使えます。最初の一本にはレザーマンをおすすめします。