■ヨーロッパ(EU)の観光客でにぎわう街

 ロックダウン中の2020年の春にはツェルマット観光局がマッターホルンの山肌に各国の映像を投影し、「希望と連帯のメッセージ」を発信。マッターホルンに日本の日の丸が映り、SNSで写真を見た際には胸がぐっと熱くなった。

賑わうツェルマットのメインストリートとマッターホルン

 2020年の夏はロックダウンが解除。コロナ禍の前はツェルマットやユングフラウエリアなどの人気の観光地はアジアからの外国人団体客に頼っていた部分もあったが、2020年と2021年の夏は欧州連合(EU)からの観光客でにぎわい、ハイシーズンは活気が戻りつつあった。

ブライトホルン山頂(4,164m)。夏の高所登山を楽しむ女性グループ ©Switzerland Tourism / Florence Gross

 100% womanという女性のみのグループでアウトドアを楽しむキャンペーンがスイス全土で行われ盛り上がった。グリンデルワルトが位置するユングフラウエリアではコロナパスという格安の夏限定のシーズンパスを提供。ハイキングや高所登山、マウンテンバイクやパラグライダーを楽しむ人が多く訪れた。夏は国際山岳ガイドも多忙な日々であった。

 一方ルツェルンやインターラーケンなどの高級時計店では、以前には売上高の約9割を中国やインドからの団体客が占めていたため、コロナ禍の影響を受けて閉店する店舗もあった。

■日本からスイスへ観光にて入国する最新の現状

 現在、スイスは海外からの旅行者を受け入れている。入国後は、公共交通機関も利用でき自宅やホテルで自主隔離する必要がない。ただし公共交通機関や店舗ではマスクを着用する義務がある。日本からのスイス入国にはワクチン接種証明書が必要だ。日本でワクチン未接種の人はスイスに入国することはできない。レストランやミューアジムなどの屋内の施設の利用は「ワクチン接種証明書 Covid certificate」が必須となる。

※ワクチン接種証明書は、欧州医薬品庁(EMA)が承認したワクチンのファイザー、モデルナ、ジョンソン&ジョンソン、アストラゼネカなどが有効である。

 感染流行状況に応じて必要な規制は随時変更される。そのため、旅行は最新情報を十分に確認して計画することが必要だ。日本帰国時に自主隔離があるのがネックとなるが、少しずつ安全な渡航ができるようになることを祈る。

 最新情報はスイス政府観光局のHPを参考にされたい。https://www.myswiss.jp