大分県佐伯市、市街地に隣接して『濃霞山(のうかやま)』という低山がある。標高は60m程度で、地元の住民が普段利用できるよう濃霞山公園として整備されている。太平洋戦争時には、佐伯港を守るために佐伯海軍航空隊・佐伯防備隊基地として利用された歴史があり、現在でも地下壕・トーチカ・弾薬庫といった戦争遺構が残っているため、歴史に興味のある人にとっては貴重な場所となっている。
濃霞山には「山に登ると船が見られる」という噂がある。この噂の真相を確かめるべく、現地に向かった。
■つづら折りの登山道と戦争遺構
濃霞山には複数の登山口があるが、駐車場が整備されているのは西登山口のみ。地図からも分かるとおり、つづら折りの登山道がしばらく続く。防空指揮所などの遺構が登山道からも見えるが、老朽化により崩壊が進んでおり進入は禁止されている。
登山道は、登り始めはコンクリートで整備された道が続くが、半ばからは未整備の登山道に変わる。晴れていれば問題ないが、雨の後は滑落に注意が必要である。