■トランギアは使用前にバリ取りとシーズニングを行う

400番のやすりで研ぎ1200番で再び研いで仕上げる

 メスティンは中性洗剤をつけた研磨剤の入っていないスポンジでやさしく洗った後、使い始めるわけだがトランギアはもうひと手間かけたほうがよい。本体とフタのふちにバリと呼ばれる鋭利な突起のようなものが残っていることがあるからだ。使用中に手を切ってしまう可能性があるため、紙やすりで削り落とした方が安心して使うことができる。

 またトランギアはアルミ無垢で作られているため、シーズニング作業をおすすめする。必須作業ではないがシーズニングを行うと食材にアルミ臭が移るのを防ぎ、焦げ付きにくくなる。

 ダッチオーブンやスキレットなど鉄製品のシーズニングは油を馴染ませるのだが、アルミのメスティンは油ではなく米のとぎ汁を使うのが一般的。方法は米のとぎ汁を入れた鍋に入れて20分ほど炊き、粗熱が取れたらお湯で洗うだけでOK。洗剤をつけて洗うとシーズニング効果も落ちてしまうため気をつけよう。

 対して黒メスティンはフッ素加工でバリ取り済みのため、どちらも必要ない。傷さえつかなければ洗剤でガンガン洗える。

■メスティンといえば自動炊飯

米は洗米し30分ほど水につけてからザルで水を切り使

 自動炊飯とは主に固形燃料を使ったほったらかしでご飯が炊ける炊飯方法のことで、メスティンを使用した料理の中で最も簡単なものの一つである。メスティンを購入して最初にチャレンジする人は多いだろう。

 今回は普通米を使用したので事前に洗米したが、無洗米ならそのまま使える。米1合(150g)で水は200g、計りを使い正確に計量した。

撮影は換気扇近くのテーブルで行った。自宅でするなら安全のために換気扇の下がいいだろう

 メスティン以外の器具はすべて同じものを使い、着火を同時に行った。固形燃料は25gを使用。おおよそ20分〜25分燃焼する。外で炊飯するときは風の影響を受けるため、周りに風防をつけたほうがよい。風防も100均で販売されている。室内で作るときは安定した台の上でセットし、事故防止のため換気をしっかり行おう。

どちらのメスティンもわずかに吹きこぼれた

 火をつけてから10分後の様子。湯気が立ちのぼり少し吹きこぼれてきたが、蓋はしっかりと閉じているためこのまま続行した。蓋が浮いてくるようなら蓋の上に石などの重しを置くとよい。

別々にタオルで巻き保冷バッグの中で15分ほど蒸らして完成

 固形燃料の火が消えた後、火傷しないように手袋をはめてクッカーから外し、タオルに包んで保冷バッグの中に入れ20分ほど蒸らす。夏や暖かい環境ならタオルで包むだけでも問題ない。