■山道に石像がズラリと並ぶ羅漢山
羅漢山は山麓の少林寺の裏手に位置し、山頂には釈迦三尊の石仏が祀られている。鐘撞堂山から縦走すると、山から寺へと降りていくことになる。ルートは2つあり、1つが五百羅漢や十六羅漢などの石像が山麓までずっと並んでいる道、もう一方の道には千躰荒神の石碑が並んでいる。10分ほどで下れる短いルートだが、寺に至るまで道沿いにズラリと並ぶ景色は圧巻だ。寺にあった案内板によると、天保9年(1826年)に浄財(慈善のための寄付)を集め、天保3年(1832年)にこれらの石像や石碑を安置し、信仰の道場としたとある。
■下山後は寺めぐりをしながら寄居駅へ
寄居町には全国的にも珍しい十二支守り本尊の霊場がある。これは、干支にはそれぞれ守り本尊があり、自分の守り本尊をお参りすると開運厄除や駆除、諸願成就などのご利益を得られというもの。町内の8つの寺で構成され、羅漢山の山麓にある少林寺もその霊場の1つだ。各霊場では御朱印がもらえ、御本尊の十二支の起き上がりこぼしも売っている。
寄居駅に向かう途中には善導寺や正龍寺があり、寺めぐりをしながら歩くのも楽しい。ちなみに善導寺は、武蔵野国の豪族の藤田氏の菩提寺で、藤田氏は小野 篁(おののたかむら)の子孫と称されている。この人物は百人一首の和歌に参議篁(さんぎたかむら)のことで、寺の本堂には「百人一首画格天井」という鮮やかな天井画が描かれている。また、正龍寺には県の天然記念物に指定されている「玉垂の楓」がある。本堂裏の庭園の池越しに生える2本の楓が半円を描くように枝を垂れ、秋になると葉が真っ赤に紅葉する。
<おすすめルート>
寄居駅→大正池→鐘撞堂山→円良田湖(分岐)→羅漢山→少林寺→寄居駅
(所要時間:3時間5分 ※寺めぐりをするとプラス20分)