■登山では紫外線が大敵!

 登山をするときに多くの人を悩ませるものの1つは日焼けだ。多くの人が「日焼け止めを塗る」、「帽子や長袖の服を着る」などして対策しているだろう。日焼けの原因は日光に含まれる紫外線だが、実は目も紫外線でダメージを受けることはご存知だろうか。まだまだ「目の日焼け」対策をしている登山者は少ないのが現状だ。

■目への紫外線の影響を医師に聞いてみた!

 なぜ目の日焼け対策は重要なのか? その理由を医師に聞いてみた。今回、話を聞いたのは北海道在住の石井陸先生。先生も登山が趣味だというが、山に行く際は必ずサングラスをするという。なぜ、サングラスが登山に必要なのか、解説してもらった。

●理由① 紫外線の浴びすぎは白内障の原因になる

目の断面図。紫外線はレンズにあたる水晶体が濁って視力が低下する白内障を引き起こす

 「眼に紫外線を浴びすぎることで起こる病気の1つは白内障です。これは眼の『レンズ』にあたる水晶体というものが白く濁ってしまう病気です。高齢者に多い病気で一般的には加齢によって起こりますが、紫外線を大量に浴びるとそのリスクが上がることがわかっています(注1)。将来の白内障を防ぐためにも目の紫外線対策は重要です」(石井氏=以下同)

●理由② 白内障以外の病気の原因にも

 「その他にも、白目の部分が異常増殖し乱視を生じる翼状片という病気のリスクが上がります。また、冬であれば雪の照り返しによって多量の紫外線を浴びるために目の炎症を起こし、雪目(雪眼炎)という眼の痛みや強烈な眩しさを感じる病気も引き起こします(注2)」