無事に光岳小屋の引き継ぎを終えて、出稼ぎ先の山小屋に戻りました。

 あれもやりたい、これはこうしたい。寝ても覚めても(言いすぎか)、小屋のあれこれが頭の中でぐーるぐるな毎日です。「思い」と「行動」が噛み合っていないような毎日に焦りもありますが、今は来年の運営資金を貯めながら準備を進めるしかない。何事も一歩ずつです。

 さて、8月末の光岳小屋最新情報です。

 トイレットペーパーはすでに底をつき……トイレは大変な状態になっているという噂です。毎月一度は小屋に上がってメンテナンス、お掃除などをしています。が、小屋にいない期間が長いので、お掃除が追いつきません。今月はこれから行きます。しばし、お待ちください。ごめんなさい。

 大変な状態!……といえば、前回の引き継ぎは汗ばむほどの晴天に恵まれたのですが、開放中のトイレ内、ハエがすごかった……。もう引くレベルでやばかったです。これは真っ先になんとかせねばいかん。用を足す前にドアを開けっ放しにしてひと暴れしてみたのですが、出て行くどころが、ふ、増えてない?

 とにかく、すっごい群がりようです。いくら声がでかい私が叫んでも、この煩さにはかないませんし、ドン引きです。ハエトリくんを持参することくらいしか対処法が思い浮かばないのだけれど、それもなんだかなぁ。ハエが引っ付いたあとは、そのまま垂れ下がってるだけだし。なにか良い方法はないのか。どなたか知恵をください……山だけど、設備も限られているけど、トイレには快適さが欲しい私です。

■小屋の全貌を把握します

食堂の窓から眺める夕暮れはたまらないな

 大きい声で言えないことばかりなのだけれど、じつは私、営業中の光岳小屋に行ったことがありません。光岳小屋は、小屋閉め後の冬季期間も宿泊棟を解放してくれているため、秋や冬に利用するばかりだったのです。営業をしてない時期だから、当然食事が出てきたり、寝具があったり、暖かいといったことはなに一つなかったけれど、山の中で雨風をしのげて、安心して身を置ける場所はなにもなくてもそれだけでありがたい。それに人工物って、やっぱり人の気配を持っている気がする。そこに人がいなくても不思議な安心感があるな。

 話は逸れましたが、というわけで食堂の中に入るのも初めて。光岳小屋の食堂は、やたら天井が高くて解放的。広さは8畳くらいかな。一番気に入ったのは大きい窓。冬は寒いけど、引越し先を探すこだわりは、陽当たりの良さと窓で決めている私なので、窓にはうるさい。ここが一番のお気に入りになりそう。しかも富士山がよく見える。早くみんなに、ここからの景色を見てほしい。

 どんな風にお客さんにのんびりしてもらおう。食事はどんなものが出せるかな。お酒はなにを出そう。ウイスキーもいいな。ビールは、やっぱりサッポロ黒ラベルがいい。そんな妄想がどんどん広がる。いかんいかん。まずは引き継ぎをちゃんとしなくちゃ。

 これからどうかよろしくね、光岳小屋。楽しく過ごしましょう。