■“紺碧の宝石”のように輝く大沼池
ここまで来ればもうひと息、天気がどんどん良くなってきている! 日差しを浴びて急に暑くなったが、この先の絶景に期待して登ると志賀山神社に到着した。祠のそばからは大沼池を見下ろせる。
立ち込めていた霧のベールがゆっくりと剥がされ、雲の切れ間から差し込む光に照らされたのは、“空よりも青いブルー” だった。刻一刻と表情を変える空と池、取り囲むの緑のコントラスト!
「やはり来てよかった!」光の力と上から俯瞰したことで、池のほとりから見た色より遥かに神秘的で、引き込まれるような色味だった。まるで“紺碧の宝石”。ずっと眺めていたい………。
という訳で、ここでお昼を食べることにした。こんな景色を眺めながらの食事は最高の贅沢だ。山歩きの醍醐味そのもの! 食べ終わるころには大沼池は完全に姿を現していた。
■寄り道しながら下山
ずいぶん長い時間景色を楽しんできたけれど、本当にずっといるわけにもいかない。来た道をたどって下山することにした。大沼池のほとりまで下りてきた。行きでは素通りした分岐点、岬の先端部分へと延びる道が気になって、ちょっと寄り道してみることに。その先には土台が水中に沈んだ赤い鳥居、悲しい大蛇伝説の残る「大蛇神社」だ。まわりにはキラキラと光る青い水面。大沼池はどこから見ても本当に綺麗だった。
池のほとりを歩いているうちに太陽はどこかに消え、水面はふたたび霧の中に沈んでいった。目まぐるしく変わる山の表情を楽しめた一日。大沼池に別れを告げて、ゆっくりと登山口へと戻った。